
歯の痛みは、日常生活で起こる不快な症状の一つです。痛みの原因はさまざまですが、痛みを放置すると症状が悪化して治療が難しくなる場合もあります。適切な対処を行うと一時的に痛みを和らぐこともあります。歯の痛みを抑えるための方法についてご説明します。
歯の痛みを抑える・対処方法
歯の痛みを抑える方法はいくつかあります。
- 冷やす
- 痛み止めを飲む
- 痛みの原因である歯の汚れを取り除く
- 歯茎のマッサージ
- 抗菌性のあるマウスウォッシュの使用
- 歯の痛みを悪化させる要因の回避
- ナイトガードの使用
- 歯科医院へ行く
1. 冷やす
歯の痛みを抑えるための応急処置として、アイスパックの利用が効果的です。外側から頬にアイスパックを当てることで炎症を抑え、痛みを軽減できます。また、この方法は一時的な対処ですが、痛みを和らげる助けになります。
対処方法

水でぬらしたタオルで氷を包み、頰の上から痛みがある部分を冷やします。氷がない場合は熱さまシートや冷えピタなどといった、冷却シートも効果的です。冷却シートは顎や頬に直接貼れるので便利です。
注意点
何事もやりすぎは禁物。冷やしすぎに注意しましょう。冷やしすぎると血行が悪くなり、かえって治りを悪くする可能性があります。氷を使って冷やす場合は、氷を直接当てずにタオルで包んだり、様子をみながら冷やすようにしましょう。
2. 痛み止めを飲む
市販されている鎮痛剤(例えば、イブプロフェンやアセトアミノフェン)は、歯の痛みを一時的に抑えるのに有効です。特に、イブプロフェンは炎症を抑える効果もあるため、歯周病や顎関節症による痛みにも適しています。ただし、過剰な服用は避け、使用上の注意を守ることが重要です。
対処方法
歯の痛みにも市販の痛み止めが効果的です。ロキソニンやイヴ、バファリンなどを飲んでみましょう。
注意点
市販の痛み止めでも、長期の服用や空腹時の服用は控えましょう。胃への負担が大きくなり、胃を傷めることがあるからです。妊娠中の方やご高齢の方など、服用に際して医師に相談すべき場合もあります。説明書に書いてあるとおり、用法・用量を守って服用しましょう。
また市販の痛み止めで痛みが落ち着いても、それは一時的であることが多いです。痛み止めはあくまで、痛みを落ち着かせるためのものであり応急処置です。原因を取り除かない限り痛みは収まりません。歯科医院へ行って診てもらいましょう。
3. 原因である歯の汚れを取り除く
対処方法
歯と歯の間に食べ物のよごれなどが詰まり、それが腐敗して細菌が繁殖して毒素を出し、その炎症から痛みが出ている可能性もあります。デンタルフロスや糸ようじを使って歯垢やその中の細菌を取り除けば、すぐに炎症がひき、痛みがおさまることもあります。

注意点
つまようじなどで無理やりよごれを取ろうとすると、周りを傷つけてしまいかえって痛みが強くなる可能性があります。デンタルフロスや糸ようじを使う時は歯茎を傷つけないように慎重に取り除きましょう。
4. 歯茎のマッサージ
歯茎の血流を促進するために、指で優しくマッサージすることも痛みの緩和に役立ちます。歯茎の腫れや炎症が原因の痛みに対して、マッサージは一時的な痛み軽減を助ける自然療法として効果的です。
5. 抗菌性のあるマウスウォッシュの使用
歯周病や感染による痛みの場合、抗菌性の高いマウスウォッシュを使うことが有効です。これにより、細菌の増殖を抑え、歯茎の炎症を和らげることができます。ただし、過度な使用は逆効果になる可能性があるため、使用頻度には注意が必要です。
6.歯の痛みを悪化させる要因の回避
特定の食べ物や飲み物が歯の痛みを悪化させることがあります。特に冷たいもの、熱いもの、甘いもの、酸性の飲食物は、知覚過敏や虫歯が原因の痛みを強めることがあるため、避けるようにすると良いでしょう。歯の痛みを抑えるためには、これらの食べ物や飲み物の摂取を控えることが効果的です。
7.ナイトガードの使用
歯ぎしりや食いしばりが歯の痛みの原因である場合、ナイトガード(マウスピース)を装着することで痛みを軽減できます。特に、就寝中に歯を無意識に食いしばる人は、夜間にナイトガードを使用することで歯への負担を軽減でき、結果として痛みを防ぐ効果が期待できます。
ナイトガードの効果
- 歯ぎしりによる歯の摩耗や破損を防ぎます。
- 歯茎や顎関節への負担を軽減します。
- 起床時の顎や頭の痛みを和らげる効果があります。
使用方法
- 歯科医師に相談し、患者さんに合ったサイズや素材のナイトガードを作成してもらいます。
- 寝る前に装着し、起床後は清潔に保管します。
- 使用後は流水で洗浄し、定期的に歯科医院で点検を受けます。
注意点
- 市販のナイトガードもありますが、適切なフィット感が得られない場合がありますので、歯科医院で型を取って作製することをお勧めします。
- 長期間使用することで劣化するため、必要に応じて交換が必要です。
8. 歯科医院へ行く
夜間や休日でも対応してくれる歯科医院は多くあります。痛みがあまりに耐えられない場合は、かかりつけの歯科医院でなくても診てもらいましょう。
注意点
まつもと歯科は予約制です。急患の場合は事前のお電話を頂くと、予約の空いている時間をお伝えすることが出来ますので、必ずお電話で事前にご連絡をお願い致します。
歯の痛みの種類・原因

▼歯の痛みの種類・原因はこちらでまとめています。
https://matsumoto.or.jp/toothteeth/pain-cause-10/
歯科医院での治療方法
痛みの原因に応じて、歯科医院での治療が必要になります。以下に主な治療方法を解説します。
虫歯治療
- 軽度: 詰め物(インレーやコンポジットレジン)で補修。
- 重度: 根管治療や被せ物の装着が必要。
歯周病治療
- 歯垢や歯石の除去。
- 重症の場合、外科的な処置。
知覚過敏の治療
- 専用の歯磨き粉やコーティング剤の使用。
歯の破損への対応
- 割れた部分の補修、またはクラウンの装着。
歯ぎしりの治療
- ナイトガードと呼ばれる夜間に装着するマウスピースを使用して歯を守りつつ、ストレス管理を行う。
日常生活でできる痛みの予防
歯の痛みを防ぐためには、日常的なケアが重要です。
定期的な歯磨き
- 朝晩2回、フッ素入りの歯磨き粉を使用する。
- 歯間ブラシやデンタルフロスで歯垢を除去。
健康的な食生活
- 甘いものを控え、カルシウムやビタミンを多く含む食品を摂取する。
定期健診
- 6か月に1回の歯科検診を受ける。
適切な噛み合わせの維持
- 歯ぎしりや噛みしめを防ぐためにマウスピースを使用する。
歯医者に相談すべきタイミング
応急処置や自然療法では改善しない場合、早めの受診が必要です。以下の症状がある場合は、すぐに専門医に相談してください。
- 痛みが24時間以上続く。
- 歯茎の腫れや膿が出ている。
- 顔が腫れている。
- 高熱を伴う場合。
まとめ

歯の痛みを抑えるためには、原因に応じた対処が必要です。冷やしたり、市販の痛み止めを使ったりすることで一時的に痛みを和らげることができますが、これらは根本的な治療ではありません。
痛みを悪化させないためには、歯科医院での早期診断と治療が欠かせません。また、普段から適切な口腔ケアを行い、定期的に歯科健診を受けることで、痛みの原因を未然に防ぐことも可能です。
歯の痛みは、適切な知識と行動でコントロールできます。健康な口腔環境を保ち、快適な日常生活を送りましょう。