入れ歯が壊れたらどうしようと焦ってしまいがちですが、入れ歯が壊れた時にどのような対処法が正しいのか、してはいけないことは何かなどきちんと知っておきましょう。
入れ歯の壊れ方
入れ歯が壊れてしまうケースについてはおおよそ三種類に絞られます。
- よく見たら入れ歯にヒビが入っている
- 入れ歯の一部が完全に割れてしまった
- 歯を支える金属の部分や人工歯が取れてしまった
入れ歯が壊れた時にすべきこと
入れ歯が壊れたと気づいたら、まずは冷静な対応が必要です。そのためには下記のように対応しましょう。
- 壊れた部分を安全なケースに入れて保管しておくこと
- 壊れた状態を写真で撮影し残しておくこと
どのように壊れてしまったか歯科医院で説明しやすいですし、歯科医師にとっても写真や壊れた入れ歯の状態を把握しやすくなります。
壊れた入れ歯にしてはいけないこと
対して、壊れた入れ歯に対して、絶対にやってはいけない処置が二つあります。
- 自分で入れ歯を修理しようとすること
- 壊れたままで使用し続けること
自分で入れ歯を修理しようとすること
入れ歯はお口の中に入れるものであり、しっかり噛むこと、審美性を保つことなどの様々な機能があります。そのため、国家資格を保有した歯科技工士が精密に作製します。入れ歯作製には専門的な技術が必要であり、患者さんご自身で割れた部分をボンドで接着しようなどと修理を試みると、入れ歯を更に損傷させてしまったり、医療用ではないボンドに含まれる成分から体に悪影響を与える可能性があります。
壊れたまま使用し続けること
壊れたままの入れ歯を無理に使用し続けると、口腔内に傷をつけたり、噛み合わせが悪くなって顎関節に悪影響を及ぼすなど更なる問題を引き起こすリスクがあります。壊れた入れ歯は使用し続けないようにしてください。
最善の対策としては、壊れたら歯科医師に連絡し、壊れた入れ歯を持参してなるべく早く診察を受けることです。歯科医師は壊れた入れ歯の状態を確認し、修理が可能か、新しく入れ歯を作製しなければならないかを判断します。
入れ歯を長持ちさせるためには
入れ歯の日常ケアとして、間違ったことを行わないようにしましょう。入れ歯を清潔に保ち、長く使用できるためのいくつかのポイントを下記に挙げております。
- 正しい清掃方法を実践する
- 入れ歯を安全に保管する
- 定期的に歯科医院でチェックしてもらう
正しい清掃方法
- 洗面台に水を溜めておく
- 入れ歯を外す
- 水を流しつつ義歯用のブラシ(普通の歯ブラシ)でやさしくこすり汚れを落とす
- 入れ歯洗浄剤を溶かしたぬるま湯でつけて就寝する
外食の場合は、水で洗い流すだけでも構いませんが、歯磨き粉は絶対に付けてはいけません。歯磨き粉に含まれる研磨剤が入れ歯に傷をつけ、破損の原因になります。歯ブラシでやさしくこするのみにとどめましょう。
入れ歯を安全に保管
入れ歯を洗面台の上に置きっぱなしにしたり、ティッシュで包んでしまうと危険です。ペットを飼っていたり、小さなお子さんがいると知らずに触って落としてしまい、破損が起きる可能性があります。ティッシュで包むとゴミと間違えて捨てられてしまいます。きちんと保管せず菌が繁殖して不衛生なまま使用すると、細菌感染による虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。
定期的に歯科医院でチェック
入れ歯の大きさや、歯周病があるかどうかによって、入れ歯の定期的なメンテナンスの間隔は異なります。歯周病がない方は半年に一度、歯周病で持続的に通院が必要な方は三か月に一度くらいとお考え下さい。噛み合わせの安定性を持続できているか、がたつきがないか、調整が必要かなどのチェックを定期的に行ってもらうことで、入れ歯が壊れずに長持ちすることができます。
入れ歯が壊れたらに関するQ&A
入れ歯が壊れた時には、まず冷静に対応することが大切です。壊れた部分を安全な場所に保管し、状態を写真に撮っておくことが推奨されます。これにより、歯科医院での説明が容易になり、修理や対応策を的確に進めることができます。
絶対に避けるべきことは、自分で入れ歯を修理しようとすることと、壊れたまま使用し続けることです。自分での修理は入れ歯をさらに損傷させる可能性があり、壊れたまま使用すると口腔内に傷をつけたり噛み合わせに悪影響を及ぼす恐れがあります。
壊れた入れ歯を使用し続けると、口腔内に傷をつける、噛み合わせが悪くなる、顎関節に悪影響を及ぼすなどのリスクがあります。これらの問題はさらなる健康上の問題を引き起こす可能性があるため、壊れた入れ歯は使用せず、速やかに歯科医師の診察を受けることが最善です。
まとめ
入れ歯が壊れて装着できない状態のまま長く過ごすと、歯の無い部分へ歯が倒れてきて歯並びが変わったり、入れ歯を修復しても入らなくなる可能性があります。入れ歯が壊れた場合は、慌てずに入れ歯の状態を確認し保管すること、すぐに入れ歯を作製してもらったかかりつけの歯科医院へ相談し、なるべく早く通院しましょう。
入れ歯が壊れた場合、専門家による適切な修理や交換が必要です。自己修復を試みると、入れ歯の損傷をさらに悪化させる可能性があります。以下の研究は直接的に入れ歯の修理方法には触れていませんが、入れ歯の使用者が直面する可能性のある一般的な問題や対応策についての情報を提供しています。
1. 研究によると、入れ歯の適切なフィット感や機能性を維持するためには、定期的なメンテナンスと専門家による評価が重要です(Fangfang Li, J. Edwards, M. Beckman, 2009)【参照】。
2. 別の研究では、入れ歯使用者が経験する可能性のある誤嚥や発音の問題など、入れ歯に関連する様々な問題に対する対策が提案されています(T. Noguchi, 1997)【参照】。
壊れた入れ歯を修理する際には、専門の歯科技工士や歯科医師に相談し、適切な対応を行うことが最善の方法です。自己修復は推奨されません。
- 修理が必要な場合は、早急に専門家に相談しましょう。
- 入れ歯のメンテナンスや調整には、定期的な歯科診療が必要です。