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予防歯科

電動歯ブラシで磨きすぎると歯に傷がつく?正しい使い方で歯を守ろう

電動歯ブラシで磨きすぎると歯に傷がつく?

「電動歯ブラシって便利だけど、毎日しっかり使ってたら、逆に歯に傷がついたりしないのかな…?」
そんな不安を感じている患者さんは意外と多いんです。

結論から言えば、「電動歯ブラシでの磨きすぎ」は、歯や歯ぐきに傷をつけてしまう可能性があります。
正しい使い方をしないと、エナメル質が削れたり、歯ぐきが下がったりして、せっかくのケアが逆効果になることも。

とはいえ、怖がる必要はありません。
大切なのは“磨きすぎないこと”と“やさしく使うこと”。
この記事では、電動歯ブラシで歯に傷がつくリスクとその理由、正しい使い方、そして予防法についてわかりやすく解説していきます。

電動歯ブラシの磨きすぎは歯に傷をつける可能性がある

磨きすぎは歯に傷をつけるかも

電動歯ブラシは便利な道具ですが、磨きすぎると歯の表面や歯ぐきにダメージを与えることがあります。特にエナメル質が削れたり、歯ぐきが下がったりすることがあるため、正しい使い方が大切です。

電動歯ブラシも使い方を誤ると歯に傷がつくことがあります。

過剰な圧力や長時間使用がエナメル質を傷つけるから

電動歯ブラシは振動や回転が強力なため、力を入れすぎたり長時間同じ箇所を磨いたりすると、歯の表面を保護するエナメル質を削ってしまうリスクがあります。

力の入れすぎや長時間使用が歯を傷つける原因に。

ポイント:歯へのダメージの原因

  1. 強すぎる圧力
    → 必要以上に押し当てるとエナメル質や歯ぐきに摩擦がかかり、傷がつくことがあります。
  2. 同じ場所の磨きすぎ
    → 1カ所に長く当て続けると、局所的にダメージが集中します。
  3. 硬いブラシの使用
    → 毛が硬いタイプを選ぶと、摩耗リスクが高まります。

電動歯ブラシは手磨きよりも効率よく歯垢を落とせますが、丁寧すぎるあまり磨きすぎると、かえって歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。

電動歯ブラシを軽く歯に当てるためのコツとは?

ポイントは「力を抜く意識」と「持ち方の工夫」!
電動歯ブラシを上手に使いこなすには、“磨く”というより“添える”感覚を身につけるのがコツです。

コツ①:ペンを持つように軽く握る

やり方:

  • グーで握るのではなく、鉛筆のように指先で支える持ち方に変えましょう。
  • これにより自然と余計な力が入りにくくなります。

手のひら全体で握ると、無意識に力が入りすぎてしまいます。指先だけで持つことで、歯への圧がコントロールしやすくなります。

コツ②:鏡を見ながら、毛先の接地を確認する

やり方:

  • 鏡の前でゆっくり歯を磨きながら、毛先が歯に“触れているか”を視覚でチェックしましょう。
  • 毛が大きく広がっていたら、それは強すぎのサイン!

視覚的に「どのくらい当てているか」を確認すると、磨きすぎの防止になります。特に初心者さんにはおすすめの習慣!

コツ③:歯の面にそっと置くだけで磨けると信じる

やり方:

  • 「動かさなくても磨ける」ことを理解し、歯ブラシを当てたまま歯のカーブに沿ってゆっくりスライド。
  • 自分でゴシゴシ動かそうとしないのが大事!

電動歯ブラシは“自動で振動・回転”してくれるので、強く動かす必要はありません。信じて任せましょう

コツ④:音や振動に敏感になってみる

やり方:

  • 強く押しすぎると「音が変わる」タイプの電動ブラシもあります。
  • また、振動が鈍く感じたら力をかけすぎている証拠かも。

製品によっては過圧センサーがついていることも。音や感覚の変化に気づけるようになると、自然と「適正な圧」がわかるようになります。

コツ⑤:歯と歯ぐきの境目は特に“ふわっと”意識

やり方:

  • 歯と歯ぐきの境目を磨くときはとくに優しく!
  • 毛先を斜め45度に当てて、“なでるように”がポイント。

この部分は歯ぐきがデリケートで、強くこすりすぎると「歯肉退縮」の原因にも。やさしさ100%で磨きましょう。

軽く当てるコツは「持ち方・意識・確認」の3セット!

工夫するポイント 具体的なコツ
持ち方 ペン持ちで力を抜く
意識 自分で動かさない、“当てるだけ”を信じる
確認方法 鏡を見る・音や振動に注意する

電動歯ブラシは、“軽く当てる”だけでしっかり歯垢を落とせる優れもの!
磨きすぎてしまいがちな人ほど、これらのコツを意識して、「丁寧だけどやさしい歯磨き」を習慣にしてくださいね。

歯ぐきが下がる「歯肉退縮」の原因になることも

歯磨きのやりすぎは、歯ぐきが後退する「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」を引き起こすことがあります。これは歯の根元が露出し、見た目や感覚にも影響を与えます。

磨きすぎが歯肉退縮を引き起こす可能性あり。

歯肉退縮のリスクとは?

  1. 歯の根元が見えるようになる
  2. 冷たいものがしみる(知覚過敏)
  3. 歯と歯の間にすき間ができやすくなる
  4. 歯垢がたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がる

本来、歯ぐきが覆っているべき部分が露出してしまうと、見た目の違和感や虫歯の発生リスクが高まります。電動歯ブラシでもやさしく、短時間のケアを意識することが大切です。

知覚過敏や詰め物の劣化にもつながる可能性

エナメル質が削れると象牙質がむき出しになり、冷たいものに敏感になります。また、被せ物や詰め物の接着部分が劣化して、そこから虫歯が再発することもあります。

知覚過敏や詰め物の不具合の原因になることも。

主なリスク

  1. 知覚過敏 → 歯の内側の象牙質が露出し、冷たい刺激に過敏になる
  2. 被せ物や詰め物のトラブル → 接着剤部分が削れ、すき間から再虫歯に
  3. 歯の摩耗 → 長期間の磨きすぎによる摩耗で歯の形が変わる可能性

健康な歯だけでなく、すでに治療済みの歯にも悪影響が出ることがあります。とくに高価な被せ物や詰め物をしている場合は、丁寧すぎる歯磨きがかえって寿命を縮めることも。

やさしい圧で短時間の使用を心がけよう

電動歯ブラシは、軽く当てるだけで十分に歯垢を落とせます。ゴシゴシこすらず、1本ずつなぞるようなイメージで使いましょう。推奨される使用時間は1回あたり2分程度です。

軽い力と短時間での使用がポイント。

正しい使い方のポイント

  1. ブラシを歯に軽く当てるだけ:強くこすらない
  2. 1本ずつ順番にゆっくり動かす
  3. 1回2分以内におさめる
  4. ヘッドは3か月に1回を目安に交換する

電動歯ブラシの性能を信頼し、力を加えすぎないよう意識することが大切です。丁寧に、でもやさしく磨く習慣をつけましょう。

正しい歯磨き習慣と定期的な健診がカギ

正しい歯磨きと定期的な歯科健診を受けることで、電動歯ブラシの使い方によるトラブルも早期に発見・予防が可能になります。

習慣と健診が歯の健康を守ります。

正しい歯磨き習慣 & 定期的な健診

  1. 毎日の正しい歯磨き
    → 歯垢をためないように、やさしく丁寧に磨く習慣を身につけましょう。
  2. 定期的な健診
    → 磨きすぎによるダメージや磨き残しなどを歯科医院でチェックしてもらうことが大切です。

電動歯ブラシはあくまで「道具」。使い方次第で大きなメリットにもデメリットにもなります。プロのアドバイスを受けながら、うまく付き合っていきましょう。

まとめ

正しい知識で電動歯ブラシと上手につきあおう

電動歯ブラシは、正しく使えば歯の健康維持に非常に効果的なアイテムです。ただし、「磨きすぎ」はかえって逆効果になってしまうこともあるため、適切な使い方を心がけましょう。

電動歯ブラシの「やりすぎ」と「正しい使い方」の違い

項目 やりすぎの例 正しい使い方
力の入れ方 強く押し当てる 軽く当てるだけ
時間 1箇所を何十秒も磨く 2分以内で全体をまんべんなく
ブラシの種類 硬い毛のブラシを使用 やわらかめを選ぶ
頻度 1日3回以上磨く 朝晩2回で十分
ヘッド交換 1年以上替えていない 3ヶ月ごとに交換

便利な道具だからこそ、正しく使う意識が大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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▶吹田の歯医者なら「まつもと歯科」