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詰め物・被せ物が取れたらどうする?正しい対応方法

詰め物・被せ物が取れた!正しい対処方法

今回は「詰め物・被せ物が取れたときの対応方法」について解説します。

詰め物・被せ物が取れたらどうする?

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【詰め物・被せ物が取れたら①】歯医者へ行く

詰め物や被せ物が取れたら、取れてしまってもすぐに捨てないで! まずは歯医者に連絡しましょう。

その詰め物・被せ物を入れた歯医者にまたかかれるのなら、そちらに連絡します。歯医者側からすると、突然来られるより電話をくれてからの方がありがたいです

何の連絡もなしに友達が家に来たら驚きますよね。部屋が片付いていなかったり、ノーメイクだったり。それと同じで、歯医者も連絡をくれてからの方が準備できたり、時間を確保できたりします。そのため詰め物や被せ物が取れたときは、電話してから行くことをおすすめします

取れた詰め物や被せ物も持参することをおすすめします。仮歯など治療途中の被せ物なども割れたり、壊れたりしていても持参しましょう。

もしその詰め物・被せ物を入れた歯医者が遠方だったり、どの歯医者か覚えていなかったりする場合は他の歯医者でも構いません。旅行中に取れてしまった場合も同じです。近くの歯医者や今かかっている歯医者に連絡し、診てもらえるか確認して予約をした方がよいです。

取れた詰め物・被せ物が手元にあれば、持っていくとスムーズです。たとえこわれていても持っていきましょう。

【詰め物・被せ物が取れたら②】取れたものがあれば保管する

取れてしまった詰め物や被せ物は、捨てずに取っておきましょう。歯医者へ行くときに持っていきます。

詰め物や被せ物は、状態によってはそのまま入れ直す(再利用する)ことができます。そのまま入れ直すことができれば楽ですよね。取れた詰め物・被せ物が手元にある場合は、念のため捨てずに取っておきましょう。治療途中で仮歯の状態で壊れたりしていても一応持参しましょう。

作り直しとなると費用がかかるのはもちろん、歯を削って歯型を取り直し、できあがるまでに1週間かかる・・・などと時間がかかります。

【詰め物・被せ物が取れたら③】自分でつけ直さない

取れた詰め物や被せ物は、自分でつけ直さないようにしましょう。無理につけ直すことで詰め物・被せ物が変形したり、歯を傷つけたりしてしまいます。つけ直せたと思ってもまた取れてしまったり、その拍子に飲み込んでしまったなんてことがあっては危険です。

実際にあった話ですが、接着剤で自分でつけて、臭いがすごくて大変だった方もいます。歯科用の接着剤(セメント)と家庭用接着剤は、まったく別ものです。

また、詰め物や被せ物自体は取れただけでそのまま再利用できたのに、無理につけ直したことで変形し作り直しになった・・・なんてこともあり得ます。

詰め物・被せ物が取れたまま放置するとどうなる?

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【詰め物・被せ物が取れたまま放置すると①】虫歯・歯周病になる

詰め物や被せ物が取れたまま放置すると、虫歯・歯周病になる可能性があります。

詰め物・被せ物が取れたところは、その形や接着剤が残っていることから、汚れがたまりやすくなります。そのため虫歯歯周病になる可能性が高まります。

被せ物の隙間から細菌が侵入し、年月をかけ被せ物の内側がむし歯になることで詰め物、被せ物が取れる場合があります。放置しておけばどんどん虫歯が進行していきます。

ただ詰め物・被せ物が取れたらすぐに虫歯になるわけではありません。しかし早めに歯医者に連絡し、遅くとも1ヶ月以内には行くようにしましょう。その間には丁寧に歯磨きの時にブラシを当てて、清潔を保って下さい。詰め物、被せ物が取れた歯のかみ合う面にブラシを当ててピリッと痛いと感じたら、かなり危険!

なるべく噛まないようにすること、熱いものや冷たいものが直接患部にふれないように気を付けましょう。

【詰め物・被せ物が取れたまま放置すると②】うまく噛めなくなる

詰め物・被せ物を入れた状態でかみ合わせを調整しています。

詰め物・被せ物を入れた状態、入っている前提でかみ合わせは調整されています。そのため、詰め物や被せ物がなくなればかみ合わせは合わなくなります

かみ合わせの合っていない状態が続くと、だんだんあごの痛み頭痛がしたり、かみ合わせが悪化しうまくものを噛めなくなる可能性もあります。かみ合わせは全身のバランスに大きな影響を与えます。

詰め物・被せ物が取れた原因

横顔の女性

そもそもなぜ詰め物・被せ物が取れてしまったのでしょうか?考えられる原因は主に3つあります。

【詰め物・被せ物が取れた原因①】虫歯

まず考えられるのが虫歯です。詰め物や被せ物をすると、その下の歯の部分は見えなくなりますよね。そのため、虫歯ができても気付きにくいのです

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詰め物や被せ物をすると、その形により汚れがたまりやすくなるため、虫歯になりやすいことがあります。虫歯により詰め物・被せ物が取れてしまった場合は虫歯の治療をし、治療後の歯の形に合わせて詰め物・被せ物を作り直します

【詰め物・被せ物が取れた原因②】経年劣化

次に考えられるのが、詰め物や被せ物そのものの経年劣化です。あるいは、それをつけていた接着剤の経年劣化も考えられます。経年劣化することにより形が変わったり、接着力が弱まったりして歯から外れてしまうのです。その他に金属自体が腐食し外れる場合もあります。

経年劣化は仕方のないこと。作り直すか、接着剤をつけ直すことで対応します。

【詰め物・被せ物が取れた原因③】咬合(かみ合わせ)、強い力でかむ

次に咬合(かみ合わせ)、強い力でかむ等も原因のひとつです。金属の詰め物を装着した時はぴったりあっても、経年とともに金属の摩耗、酸化が起き、噛み合わせが変化することがあります。歯ぎしり(ブラキシズム)は過度の負担があらゆる方向から金属にかかってくるため外れやすくなる場合があります。

※ブラキシズムとは
無意識のうちに食いしばったり歯をこすりあわせてしまうなど上下の歯が不必要に接触している状態を歯ぎしり(ブラキシズム)という。

詰め物・被せ物が取れた時の対応方法に関するQ&A

詰め物や被せ物が取れた場合、どのように対応すれば良いですか?

詰め物や被せ物が取れたら、まずは歯医者に連絡しましょう。持参して診てもらうことをおすすめします。近くの歯医者や今かかっている歯医者にも連絡して予約を取ることが大切です。

取れた詰め物や被せ物を自分でつけ直してはいけないの?

無理に自分でつけ直すと詰め物や被せ物が変形したり、歯を傷つけたりする可能性があります。また、歯科用の接着剤と家庭用の接着剤は異なり、お口に入れるものですので、自己判断での接着剤の使用は危険です。歯医者に相談しましょう。

詰め物や被せ物が取れたまま放置するとどのような影響があるのですか?

詰め物や被せ物が取れたまま放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。取れた部分は汚れがたまりやすくなり、細菌が侵入して状態が悪化します。放置せずに早めに歯医者に連絡しましょう。

詰め物・被せ物が取れたときの対応まとめ

歯のキャラクター

取れた状態を長く放置しておくと露出した象牙質という虫歯になりやすい部分が感染してしまい、今以上に虫歯が進行して、当然痛みも出ます。治療回数もかかることになります。

詰め物や被せ物が取れてしまったときは、まずは歯医者へ連絡しましょう。早めに歯医者へ行けばつけ直すだけなど簡単な処置で済むかもしれません。面倒だからと放置しておくと、かえって手間がかかるし費用もかかる可能性があります。
すみやかに受診される事をおすすめします。

 

監修

歯科衛生士 坂上明美

医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科

【所属学会】
日本歯周病学会
日本審美歯科学会
日本医療機器学会
日本アンチエイジング歯科学会
【資格】
スイスデンタルアカデミーエキスパート
第2種滅菌管理士
ホワイトニングコーディネーター
デンタルコーディネーター

詰め物かぶせ物が取れたとき

 

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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