インプラントとブリッジの割合は?どちらを選ぶ人が多いか最新データで解説

まつもと歯科 総院長 松本 正洋

インプラントとブリッジの割合は?

厚生労働省の令和6年(2024年)歯科疾患実態調査では、15歳以上でブリッジを装着している人は31.2%、インプラントを装着している人は3.2%でした。

数字だけを見るとブリッジの方がかなり多く見えます。ただし、この数字は「歯を失った人がどちらの治療を選んだか」という割合ではありません。調査時点で、それぞれの補綴物を装着している人の割合です。

そのため、利用者が多い治療法=自分に適した治療法、とは限りません。

インプラントとブリッジのどちらが適しているかは、残っている歯の状態、顎の骨、全身状態、費用、治療期間、外科手術への考え方などを総合して判断する必要があります。

この記事を読むとわかること

  1. インプラントを使用している人の割合
  2. ブリッジを使用している人の割合
  3. インプラントが多い年代
  4. ブリッジが多い年代
  5. 厚生労働省の統計を見るときの注意点
  6. ブリッジ装着者がインプラントより多い理由
  7. インプラントとブリッジの違い
  8. それぞれが向いているケース
  9. 費用・治療期間・通院の違い
  10. 自分に合った治療法を選ぶポイント

インプラントブリッジの特徴、メリット・デメリットの比較はこちら

https://matsumoto.or.jp/toothteeth/implant-bridge-core/

目次

インプラントとブリッジを使っている人の割合はどれくらい?

厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、15歳以上でブリッジを装着している人は31.2%、インプラントを装着している人は3.2%でした。部分入れ歯は19.7%、総入れ歯は6.5%となっています。

現在の装着者数ではインプラントよりブリッジの方が多いという結果です。

まずは、日本でどのような方法で失った歯を補っている人がいるのかを見てみましょう。
以下は厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査に基づく、15歳以上の補綴物装着者の割合です。

補綴物の種類 15歳以上の装着者割合
ブリッジ 31.2%
部分入れ歯 19.7%
総入れ歯 6.5%
インプラント 3.2%

ただし、「ブリッジを選んだ人が31.2%、インプラントを選んだ人が3.2%」という意味ではありません。ここを混同しないことが、この統計を正しく理解するポイントです。

この数字は「インプラントとブリッジを選んだ割合」なの?

この数字は「インプラントとブリッジを選んだ割合」なの?の図解

厚生労働省の調査で示されているのは、調査時点で補綴物を装着している人の割合です。「歯を1本失った人のうち、何%がインプラントを選んだか」を調べた数字ではありません。

「装着率」と「治療の選択率」は別の数字です。

たとえば、同じ患者さんのお口の中に、

  • 右側にはブリッジ
  • 左側にはインプラント
  • 別の場所には部分入れ歯

が入っているケースもあります。

また、現在ブリッジを装着している患者さんの中には、何年も前に治療を受けた方も含まれます。

したがって、統計からわかるのは、「現在、日本ではインプラントよりブリッジを装着している人の割合が高い」ということまでです。

「日本人の多くがブリッジを選んでいるから、ブリッジの方が優れている」と結論づけることはできません。

治療法を比較するときは、割合ではなく、それぞれの治療法が自分のお口に合っているかを見る必要があります。

インプラントを使っている人が多い年代は何歳くらい?

インプラントを使っている人が多い年代は何歳くらい?の図解

令和6年歯科疾患実態調査では、インプラント装着者の割合が最も高かったのは75~79歳で7.6%でした。65~69歳では6.2%、70~74歳では4.3%となっています。

最新調査では75~79歳でインプラント装着者の割合が最も高くなっています。

インプラントは若い年代より、中高年以降で装着者が増える傾向がみられます。
年齢とともに歯を失う機会が増えることも背景の一つと考えられます。

年代 ブリッジ装着者 インプラント装着者
45~49歳 11.8% 3.9%
50~54歳 20.1% 0.6%
55~59歳 28.5% 2.3%
60~64歳 35.1% 2.3%
65~69歳 48.2% 6.2%
70~74歳 50.3% 4.3%
75~79歳 51.7% 7.6%
80~84歳 45.2% 3.9%

インプラント装着者が多い年代だからといって、その年代ならインプラントを選んだ方がよいという意味ではありません。インプラント治療では年齢だけでなく、顎の骨、歯周病、全身状態、服薬状況、治療後にメンテナンスを継続できるかなども確認します。

ブリッジを使っている人が多い年代は何歳くらい?

ブリッジも中高年になるにつれて装着者の割合が高くなり、令和6年の調査では75~79歳で51.7%でした。70~74歳でも50.3%と、約半数がブリッジを装着しています。

ブリッジは特に60代以降で装着者の割合が高くなっています。

一方、80~84歳ではブリッジ45.2%に対し、部分入れ歯が52.0%となっています。

この数字からも、歯を失ったときの治療方法は年齢だけで決まっているわけではないことがわかります。

失った歯の本数が増えたり、ブリッジを支える歯の状態が変化したりすると、部分入れ歯など別の治療方法が適してくる場合もあります。

つまり、「1本失ったとき」と「何本も失ったとき」では、選択肢そのものが変わるということです。

なぜインプラントよりブリッジを使っている人が多いの?

ブリッジ装着者がインプラント装着者より多い理由を、厚生労働省の統計だけから特定することはできません。ただし、治療方法の違いとして、ブリッジには保険診療を利用できるケースがあり、基本的にインプラントのような外科手術を必要としないという特徴があります。

装着者数の差には、費用・治療期間・手術の有無・治療の歴史など複数の背景があると考えられます。

ブリッジには、

  1. 一定の条件で保険診療を利用できる
    → 使用する材料や欠損の状態などによっては、健康保険を使った治療が可能です。
  2. 外科手術を必要としない
    → インプラントのように顎の骨へ人工歯根を埋め込む手術は行いません。
  3. 比較的短期間で治療しやすい
    → インプラントでは骨とインプラントが結合する期間などが必要ですが、ブリッジは比較的短い期間で完成することがあります。
  4. 以前から広く行われてきた治療法である
    → 現在ブリッジを装着している患者さんには、過去に治療を受けて長く使っている方も含まれています。

という特徴があります。

一方、インプラントは自由診療が中心で、外科手術や治癒期間が必要です。

ただし、装着者が少ないからといってインプラントの治療価値が低いわけではありません。インプラントには、隣の天然歯を支えとして使わずに欠損を補えるという大きな特徴があります。

インプラントとブリッジでは何が違うの?

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に被せ物を装着する方法です。一方、ブリッジは失った歯の両隣などを支えにして、つながった人工歯を固定します。

最大の違いは「失った歯を何で支えるか」です。

どちらにもメリット・デメリットがあり、すべての患者さんに同じ治療が適しているわけではありません。治療法を選ぶ際には、費用だけでなく周囲の歯への影響や手術の有無まで比較しましょう。

比較項目 インプラント ブリッジ
支え 顎の骨 両隣などの天然歯
外科手術 必要 基本的に不要
周囲の歯を削る 基本的に不要 支えとなる歯を削ることが多い
費用 自由診療が中心 保険診療・自由診療がある
治療期間 比較的長い 比較的短いことが多い
主な注意点 インプラント周囲炎など 支えとなる歯への負担など
治療後の管理 定期的なメンテナンスが必要 支えとなる歯を含めた管理が必要

インプラントでは周囲の健康な天然歯を大きく削らずに済むことが大きな特徴です。反対にブリッジは外科手術を避けられる一方、支えとなる歯の状態が治療の長期的な安定に関係します。

どんな人がインプラントを選ぶことが多いの?

インプラントは、周囲の天然歯をできるだけ削りたくない方、固定式の治療を希望する方、噛みやすさを重視する方などに検討される治療方法です。ただし、希望すれば誰でも受けられるわけではありません。

「周囲の歯を守りながら独立して歯を補いたい」という希望と相性のよい治療です。

たとえば、

  1. 健康な隣の歯をできるだけ削りたくない
    → インプラントは失った部分を独立して補えるため、ブリッジのように隣接する歯を支えとして大きく削る必要が基本的にありません。
  2. 取り外し式の装置を避けたい
    → インプラントは固定式なので、日常的に取り外して使用する必要はありません。
  3. 噛みやすさを重視したい
    → 顎の骨に固定された人工歯根で支えるため、安定した噛み心地を得やすい治療です。
  4. 治療期間や費用を許容できる
    → インプラントは自由診療が中心で、骨との結合を待つ期間も必要です。
  5. 外科手術を受けられる状態である
    → 顎の骨や全身状態、服薬状況などを確認して適応を判断します。

インプラントを選ぶ理由は「見た目がよいから」だけではありません。残っている天然歯への負担をどう考えるかが、インプラントとブリッジを比較する重要なポイントです。

どんな人がブリッジを選ぶことが多いの?

ブリッジは、外科手術を避けたい方、比較的短期間で固定式の歯を入れたい方、保険診療を希望する方などで検討されます。

手術をせず固定式で歯を補えることがブリッジの大きな特徴です。

たとえば、

  1. 外科手術を受けたくない
    → 顎の骨へ人工歯根を埋め込む手術が必要ありません。
  2. 比較的早く歯を補いたい
    → インプラントのように骨と結合する期間を待たずに治療できるケースがあります。
  3. 保険診療を希望している
    → 条件を満たせば、保険診療でブリッジを作れる場合があります。
  4. 支えとして利用できる歯がある
    → ブリッジでは欠損部分の両側などにある歯を支えとして利用します。

ここで注意したいのは、「両隣の歯が健康だからブリッジに向いている」と単純にはいえないことです。健康な歯を削る必要がある場合には、その歯を将来どう守るかという視点も含めて治療方法を検討する必要があります。

インプラントとブリッジはどちらのメリットが大きいの?

インプラントとブリッジには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。どちらかが常に優れているわけではなく、患者さんが何を優先したいかによって評価が変わります。

「何を守りたいか」「何を避けたいか」で選択が変わります。

インプラントでは、

  1. 周囲の天然歯を大きく削らずに済む
  2. 独立して歯を補える
  3. 固定式で安定しやすい

というメリットがあります。

一方、

  1. 外科手術が必要
  2. 自由診療が中心
  3. 治療期間が長くなる
  4. インプラント周囲炎への対策が必要

といった注意点があります。

ブリッジでは、

  1. 外科手術を必要としない
  2. 固定式で使用できる
  3. 保険診療を利用できるケースがある
  4. 比較的短期間で治療できることが多い

というメリットがあります。

その反面、

  1. 支えとなる天然歯を削る必要がある
  2. 支えとなる歯に負担がかかる
  3. 欠損の状態によっては適応できない

場合があります。

つまり、単純な「メリットの数」で比べるのではなく、自分にとって重要なメリットは何かを考えることが大切です。

インプラントとブリッジの費用・期間・通院回数はどう違うの?

インプラントは自由診療が中心で、手術後に骨と結合する期間が必要なため、一般的にはブリッジより治療期間が長くなります。ブリッジは保険診療を利用できるケースがあり、外科手術を伴わないため比較的短期間で治療できることがあります。

費用とスピードを重視するならブリッジが候補になりやすく、周囲の歯への影響まで考えるとインプラントも比較したいところです。

以下は治療方法を比較するための一般的な考え方です。
実際の費用、治療期間、通院回数は欠損部位や本数、骨造成の有無、使用する材料などによって変わります。

項目 インプラント ブリッジ
費用 自由診療が中心 保険診療を利用できる場合がある。自由診療もある
治療期間 数か月以上かかることがある 比較的短期間で完成するケースが多い
通院 検査・手術・被せ物の製作など複数回必要 形成・型取り・装着など複数回必要
追加治療 骨不足の場合は骨造成などが必要になることがある 支えとなる歯の治療が必要になる場合がある
治療後 定期的なメンテナンスが必要 支えとなる歯を含めた定期管理が必要

「インプラントは高い、ブリッジは安い」だけで決めるのはおすすめできません。最初に必要な費用だけでなく、周囲の歯への影響、将来的な再治療、メンテナンスなども含めて比較することが大切です。

インプラントとブリッジは結局どちらを選べばいいの?

インプラントとブリッジのどちらが適しているかは、残っている歯、顎の骨、全身状態、費用、治療期間、外科手術への希望などによって異なります。

「みんなが何を選んでいるか」より「自分のお口を将来どう残したいか」で選びましょう。

治療を選ぶ際には、次のような点を確認します。

隣の歯は健康なのか

隣の歯が健康な場合、それを削ってブリッジの支えにするのか、削らずインプラントにするのかは重要な判断ポイントです。

反対に、隣の歯がすでに大きな被せ物になっている場合には、判断が変わることもあります。

顎の骨は十分にあるのか

インプラントを固定するには顎の骨が必要です。

骨が少ない場合でも骨造成で対応できることがありますが、追加手術や治療期間が必要になる場合があります。

外科手術を受けられるのか

全身疾患や服薬内容などによっては、インプラント手術を慎重に判断する必要があります。

何を優先したいのか

患者さんによって、

  • 周囲の歯をできるだけ削りたくない
  • 手術は避けたい
  • 費用を抑えたい
  • できるだけ短期間で治療したい
  • 固定式の歯にしたい

など希望は異なります。

ここで、まつもと歯科として大切にしたいのは、「今なくなった1本をどう埋めるか」だけで治療法を決めないことです。

10年後、20年後に残っている歯をどのような状態で保ちたいのかまで考えて、治療方法を比較することが重要です。

利用している人が多い治療法を選んだ方が安心なの?

ブリッジ装着者がインプラント装着者より多いからといって、すべての患者さんにブリッジが向いているわけではありません。

利用者の多さは治療を選ぶための参考情報にはなりますが、適応を決める基準にはなりません。

たとえば、「みんなブリッジをしているなら、自分もブリッジでいいのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、統計には、

  • 年齢
  • 歯を失った本数
  • 過去に受けた治療
  • 費用
  • 全身状態
  • 患者さんの希望

などさまざまな背景をもつ人が含まれています。

さらに、厚生労働省の調査では65歳以上になると補綴物を装着している人の割合が半数を超え、80歳未満ではブリッジの割合が最も高いことが示されています。

これは「ブリッジが最高の治療」という意味ではなく、日本で現在どのような補綴治療が使われているかを示す統計です。治療は多数決で決めるものではありません。

インプラント・ブリッジ・入れ歯はどうやって選べばいいの?

歯を失った場合の代表的な選択肢には、インプラント・ブリッジ・入れ歯があります。どの方法にもメリットとデメリットがあり、失った歯の本数によっても適した治療法は変わります。

治療法は「噛めるようにする」だけでなく、残っている歯をどう守るかまで考えて選びます。

たとえば、

  1. 1本だけ歯を失った
  2. 奥歯を複数失った
  3. 支えにできる歯が少ない
  4. 顎の骨が少ない
  5. 外科手術を避けたい

などによって治療計画は変わります。

  • 入れ歯は外科手術を行わず多くの欠損に対応しやすい一方、取り外しが必要です。
  • ブリッジは固定式ですが、支えとなる歯が必要です。
  • インプラントは周囲の歯から独立して治療できますが、外科手術が必要です。

そのため、「何本失ったら必ずこの方法」という単純なルールではなく、お口全体のバランスを見て選択することが大切です。

インプラントとブリッジの割合についてよくある質問

Q1. 日本でインプラントをしている人は何%くらいですか?

厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、15歳以上のインプラント装着者は3.2%でした。

ただし、これは「歯を失った人のうち3.2%がインプラントを選んだ」という意味ではなく、15歳以上全体でインプラントを装着している人の割合です。

Q2. ブリッジをしている人は何%くらいですか?

同じ調査では、15歳以上のブリッジ装着者は31.2%でした。

インプラントより多い結果ですが、利用者数だけで治療方法の優劣を判断することはできません。

Q3. インプラントをしている人が最も多い年代は何歳ですか?

令和6年歯科疾患実態調査では、75~79歳で7.6%と最も高くなっています。

65~69歳では6.2%、70~74歳では4.3%でした。

Q4. ブリッジの方がインプラントより人気なのですか?

ブリッジ装着者の割合はインプラントより高いものの、それをそのまま「人気」と考えることはできません。

保険診療の有無、外科手術、治療期間、過去に受けた治療など多くの要因が関係しています。

Q5. インプラントとブリッジはどちらがおすすめですか?

一概には決められません。

隣の歯の状態、顎の骨、全身状態、費用、治療期間、手術への考え方などを確認し、それぞれのメリット・デメリットを比較して選ぶ必要があります。

まとめ

厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、15歳以上で、

  • ブリッジ装着者:31.2%
  • 部分入れ歯装着者:19.7%
  • 総入れ歯装着者:6.5%
  • インプラント装着者:3.2%

という結果でした。

また、インプラント装着者の割合が最も高かった年代は75~79歳で7.6%でした。

数字だけを見ると、ブリッジを使用している人はインプラントよりかなり多いことがわかります。

ただし、この数字は「歯を失った人がどの治療を選んだか」という治療選択率ではありません。そして、利用者の多い治療法が、患者さんご自身にとって最も適しているとも限りません。

インプラントには周囲の天然歯を大きく削らずに治療できる特徴があり、ブリッジには外科手術をせず固定式の歯を入れられる特徴があります。入れ歯にも、手術を必要とせず幅広い欠損に対応できる利点があります。

治療方法を決める際には、

  1. 残っている歯の状態
  2. 顎の骨の状態
  3. 全身状態
  4. 外科手術への希望
  5. 費用
  6. 治療期間
  7. 治療後のメンテナンス

まで含めて比較しましょう。

「みんなが何を選んでいるか」よりも、「10年後、20年後に自分の残っている歯をどう守りたいか」。歯を失ったときの治療では、この視点をもって歯科医師と相談することが、自分に合った治療法を選ぶための大切なポイントです。

関連ページ:まつもと歯科のインプラント治療