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入れ歯が痛い原因と対策・対処方法

入れ歯が痛い原因と対策・対処方法

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

今回は「入れ歯が痛い原因と対策方法」について書いていきます。

入れ歯が痛い原因と対策・対処法

入れ歯にも、さまざまな「痛い」がありますので、痛みの種類ごとに、原因や対策・対処方法をご紹介します。

【入れ歯が痛い①】口の中の粘膜が痛い

【入れ歯が痛い②】食事中かむ時に痛い

【入れ歯が痛い③】食事中ものがはさまって痛い

【入れ歯が痛い④】口角が切れて痛い

【入れ歯が痛い⑤】口の中が乾いて痛い

【入れ歯が痛い⑥】あごの関節が痛い

 

【入れ歯が痛い①】口の中の粘膜が痛い

腕

考えられる原因

入れ歯を入れると痛いけど、外すと痛くないという場合です。これは入れ歯が合っていなかったり、入れ歯が粘膜に当たっていることが原因であると考えられます。

歳を重ねるごとに、歯茎は形を変えていきます。これは誰にでも起こること。また入れ歯を作ったはじめの頃は問題なくても、長年使っているうちにズレが生じてくることは多々あります。これらも入れ歯が粘膜に当たり、痛みや口内炎ができる原因となります。

入れ歯がほんの少し変形しただけでも、歯や歯茎、粘膜はすぐに感じ取ります。これは保険の入れ歯であっても、保険がきかない高額な入れ歯であっても同様です。

対策・対処法

入れ歯による痛みは、基本的に自然に治ることはありません。

むしろ我慢して痛い入れ歯を使い続けると、状態が悪化する可能性が高いです。歯科医院へ行き入れ歯の調整をしてもらいましょう。入れ歯の調整は、歯科医院へ1〜2回行けば終わることがほとんどです。ほんの少し削るだけなので、さほど時間はかからないでしょう。

ただし入れ歯によりすでに粘膜に傷がついてしまった場合は、入れ歯を使用しない日を挟むなど、休みながら傷の治りを待つ必要があります。

【入れ歯が痛い②】食事中かむ時に痛い

女性

考えられる原因

入れ歯を入れた状態での食事や、かむ時に痛い場合は、かみ合わせが合っていなかったり入れ歯を支えている自分の歯に原因がある可能性があります

かみ合わせが合っていないと食べ物をかむ位置にズレが生じます。それにより力が強くかかる部分とかからない部分が出てきます。これらが入れ歯を使った食事中の痛みにつながることがあります。

また入れ歯を支えている自分の歯が揺れていたり、虫歯になっている場合でも、食事中に痛いと感じることがあります。

一般的な部分入れ歯

対策・対処法

かみ合わせが原因である場合は、かみ合わせの調整を行います。入れ歯を支えている歯に問題がある場合は、その歯の治療になるので歯科医院には数回通うことになります。状態によっては、入れ歯を作り直す必要があるかもしれません。

【入れ歯が痛い③】食事中ものがはさまって痛い

横顔の女性

自分の口の中の粘膜と入れ歯との間にものが挟まると、激痛を感じることもあります。

考えられる原因

野菜など繊維質のものや、ごまなど小さいものは粘膜と入れ歯の間に挟まりやすいです。ただこのようにものが入れ歯の裏に挟まるという方は、入れ歯が合っていないことが多いです

対策・対処法

入れ歯の粘膜に当たる部分を調整することで改善されるでしょう。

【入れ歯が痛い④】口角が切れて痛い

女性

考えられる原因

入れ歯を使うようになってから口角が切れるようになった方は、入れ歯に原因がある可能性が高いです。入れ歯が合っていないと、口角や口の周りに唾液がつきやすくなる・唾液が口の中から漏れやすくなることがあります。

こうなると口角が常に湿った状態になり、切れたり細菌感染が起こりやすくなります

また逆に、お口の中が乾燥していることにより口角が切れやすい方もいます。

対策・対処法

入れ歯の調整を行ったり、口角を積極的に保湿すると改善するでしょう。保湿に関してはあくまで対症療法になりますので、日頃から保湿を心がけることも予防としては大切です。

対症療法とは

病気の原因に対してではなく、その時の症状を軽減するために行われる治療法。痛みに鎮痛剤を与えるなど。姑息(こそく)的療法。⇔原因療法。根本的な対策とは離れて、表面に表れた状況に対応して物事を処理すること。

引用 コトバンク

【入れ歯が痛い⑤】口の中が乾いて痛い

マグカップ

口の中の乾きは、痛みにつながりやすいです。

考えられる原因

お口の中の乾燥には、さまざまな原因が考えられます。

起床時や空腹時、ストレスなどでもお口の中は乾燥しやすくなりますが、これらによる乾燥は痛みを感じるほどではないでしょう。

お口の中が痛いと感じるほどの乾燥は、唾液腺に異常からくるものや薬の副作用によるもの、全身の病気からくるものなどさまざま。急に痛いほどの乾燥が気になるようになったり、長い間乾燥が治らない場合は注意が必要です。原因を特定することが大切です。

対策・対処法

基本的には入れ歯というよりは、原因となる病気の治療が優先となります。原因の病気が治るまでの間や原因の除去が難しい場合は、お口の中を保湿するジェルスプレーマウスウォッシュなどを使用すると楽になることがあります。歯科医院で相談してみましょう。

【入れ歯が痛い⑥】あごの関節が痛い

悩み

考えられる原因

入れ歯の使用を始めてからあごが痛くなった場合は、かみ合わせに問題があると考えられます。あるいは顎関節症の可能性もあります。

顎関節症とは

咀嚼筋や顎関節の障害によって、顎の関節や周囲の組織に生じるさまざまな疾患の総称。口を開閉するときに音がする、痛みがある、口を大きく開けられないなどの症状が現れる。頭痛・めまい・肩こり・耳の痛みなどを伴うこともある。

引用 コトバンク

対策・対処法

入れ歯のかみ合わせによりあごの痛みが出ている場合は、歯科医院でかみ合わせの調整を行えば楽になるでしょう。入れ歯のかみ合わせを調整しても良くならない場合は顎関節症を疑います。歯科医師に相談してみましょう。

入れ歯が痛い原因と対策・対処に関するQ&A

入れ歯が口の中の粘膜に当たって痛い場合、どのような原因が考えられますか?

入れ歯が合っていなかったり、入れ歯が粘膜に当たって常に擦られている状態であることが原因と考えられます。

口の中の粘膜に当たる入れ歯の痛みの対策や対処法はありますか?

歯科医院で入れ歯の調整をしてもらうことが必要です。入れ歯の調整は通常1~2回の訪問で行われ、時間もさほどかかりません。また、粘膜に傷がついてしまった場合は、入れ歯を使用しない日を挟んで傷の治りを待つ必要があります。

食事中や咀嚼時の入れ歯の痛みに対する対策や対処法はありますか?

かみ合わせの調整や、入れ歯を支えている自分の歯の治療が必要な場合があります。歯科医院で相談し、必要に応じて入れ歯の調整や治療を行うことが重要です。

入れ歯が痛い原因と対策まとめ

歯のキャラクター

食事や会話など、生活をより良くするために使う入れ歯ですが、自分の口の中に合っていなければかえってつらい思いをすることになります。原因を見つけ、適切な対処方法を取っていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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