「マウスピース矯正中でも運動して良い?」「ジムで筋トレやランニングをしても問題ない?」そんな疑問や不安を抱えている方は少なくないはずです。マウスピース矯正は、比較的日常生活に支障が出にくい治療法ですが、運動の種類や行うタイミングによっては気をつけたいポイントもあります。

この記事では、マウスピース矯正で歯並びを整えると運動時のパフォーマンスに与えるメリットや、マウスピース矯正中の注意点など、運動習慣がある方でも安心して治療を続けるためのコツも詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

運動習慣のある人が矯正をする理由とは

そもそもスポーツをする人に対して、なぜ歯列矯正をすることにメリットがあるのかについてまとめてみました。

スポーツ面でのメリット どう良いか 理由 期待できること
パフォーマンス向上 動作が安定しやすくなる 歯並びや噛み合わせの乱れは、身体のバランスの崩れにつながることがある。矯正で噛み合わせが整うと、姿勢や体の使い方が安定しやすい フォームが安定/力が入りやすい/ブレが減る/動きの再現性が上がる
口腔のケガ防止 口の中を傷つけるリスクが下がる 歯が凸凹していると、ボールが当たった際に唇や頬の内側を切りやすい。特に八重歯は外傷リスクが高く、矯正で歯列が整うと、引っかかりが減る 口内の裂傷・出血の予防/接触プレー時の安心感が増える
栄養素の吸収効率向上 疲労回復やコンディション維持に役立つ 噛み合わせが悪いと十分に咀嚼できず、消化不良や栄養吸収効率低下の原因に。矯正でよく噛めるようになると消化がスムーズになりやすい 栄養が取り込みやすい/胃腸の負担軽減/運動後の回復をサポート

マウスピース矯正と運動の関係

マウスピース矯正で有名な装置はインビザラインです。インビザラインは透明で薄いプラスチック製の矯正装置を歯に装着し、定められた期間ごとに交換して、歯並びを整える治療方法です。他の矯正方法と比べて取り外しが可能であり、日常生活への影響が少ないのが特徴です。そのため、普段から運動やスポーツを楽しむ人でも、矯正治療を継続しながら活動できる可能性が高いです。

運動の種類や運動中の行動によっては注意点や配慮が必要になる場合もあり、ただ運動してもOKと考えるのは不十分です。

マウスピース矯正中でも運動は基本的に可能

結論から言うと、軽い運動や、非接触型スポーツであればマウスピース矯正中でも装着したまま運動しても基本的に問題ありません。これはマウスピースが薄くフィット感が高く、呼吸や動きの邪魔になりにくいからです。軽い運動や非接触型スポーツとは何?という方も多いでしょうから、具体的に挙げてみます。

  • ランニング(ルームランナー、ジョギング)
  • サイクリング(エアロバイク)
  • ヨガ、ストレッチ、ピラティス
  • 筋トレ(スクワットや軽いウェイトトレーニング)

これらの運動では口元に強い衝撃が加わることがほとんどなく、運動パフォーマンスへの影響も少ないとされています。

マウスピース矯正中に注意したい運動、スポーツ

では、反対にマウスピース矯正中に注意したい運動やスポーツについて挙げましょう。

ハードな筋トレ

ハードな筋トレは呼吸を整えながら体を動かすため、強い力を入れたり負荷がかかった際に呼吸や腹圧を変えると、口の中の圧力が変化し、その影響でマウスピースがずれてしまいます。装置が浮いた状態で力をかけると歯や歯肉に余計なダメージを与え、破損のリスクが高まります。

サッカーやバスケットボール

リミテッドコンタクトスポーツに分類されます。基本的に距離を置きますが、相手選手と接触したり、ボールが顔面に当たる可能性もあるので注意が必要です。

ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道、レスリング

フルコンタクトスポーツに分類されます。力を加減せずに、相手選手の身体に接触し、食いしばるため歯に強い力がかかることが多くマウスピースが割れる可能性があります。投げなどの技がある柔道やレスリングは衝撃と摩擦も加わります。

顔面や口元が外部から衝撃を受ける可能性が高いこと、破損したマウスピースで歯や唇、頬の内側を傷付けるトラブルが起きることも考えられます。

スキューバーダイビング、サーフィン

スキューバダイビングやサーフィンなどの水中スポーツは、マウスピース矯正装置を装着したままでも楽しめますが、水中ならではの状況があるため、事前にリスクを理解して対策しておくことが大切です。

スキューバーダイビングの注意点

ダイビングではレギュレーターに取り付けたマウスピースを噛んで呼吸を確保します。そのため、噛む力が強かったり長時間噛み続けたりすると、矯正装置が変形したり、破損する可能性があります。

対策
  • レギュレーター選びを工夫する
  • 装置に当たりにくく、違和感の少ない柔らかい素材のマウスピースを選ぶ

長時間の潜水など負担が大きい場合は、装置を外すのも選択するのも良いでしょう。ただし装着時間が不足しないよう、潜水後はすぐ再装着してください。

サーフィンでの注意点

サーフィンは、波の衝撃や転倒によって口元をぶつけるリスクがあります。装置そのものよりも、転倒時の衝撃で唇や歯を傷つける可能性に注意しましょう。

対策
  • スポーツ用マウスガードの併用を検討する
  • 転倒時のフォームを学ぶなど、衝撃を減らす工夫をする

コンタクトスポーツ時の安全対策

強い接触があるスポーツでは次の両方を検討すると良いでしょう。

マウスピースを外す
コンタクトスポーツでは矯正用マウスピースを外し、スポーツ用マウスガードに替えることが推奨されます。矯正用マウスピースは衝撃を吸収するという機能がないためです。

スポーツ用マウスガードの装着
スポーツ用のマウスガードは歯や口周りへの衝撃を和らげ、装置や口腔を保護するために設計された専用のものです。矯正治療中でも装着可能なタイプがあり、安全性が大幅に高まります。

運動中にマウスピースを外すべきタイミング

運動中にマウスピースを外すべきかどうかというタイミングはどんな時かまとめてみました。

激しいコンタクトスポーツに参加する時
ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が装置が粘膜を刺激することは少ないですが、口腔内でマウスピースが破損する可能性はあります。

装置がずれたり、痛みを感じる時
装置のずれや痛みがあるまま運動するのは、大変危険です。誤った方向に力がかかったり、痛む症状があれば集中できません。

食事や飲み物を摂りたい時
糖分の多いスポーツドリンクやプロテインなどを飲む際は必ず外しましょう。ただし、糖分の多い飲み物を飲んだ後歯磨きをせず装着すると、虫歯リスクが高くなるので、清潔に保つことが大切です。

運動とマウスピース矯正のよくあるトラブルと予防法

運動の際に起こるトラブルとそれを予防する方法についてご説明します。

よくあるトラブル 主な原因 対策・予防
運動中にマウスピースがずれた 装着が甘い/口周りが動きやすい 事前に装着感を確認し、浮きやゆるみがないかしっかりフィットさせる
激しい運動でマウスピースが破損した 強い噛みしめ/衝撃 違和感を覚えたら無理に使い続けず、一度外してヒビや欠けがないか状態を確認
汗や飲料が装置の中に入り、不快感がある 口内が乾燥しやすい/スポーツドリンクや甘い飲料が入り込む 水分補給は水で済ませる。
外したマウスピースを失くした/汚した タオル・ポケット・直置きなどで紛失や汚染が起きやすい 保管ケースを必ず持ち歩き外したら即ケースへ。衛生面・破損防止にも有効

コンタクトスポーツを継続しているが矯正も行うという方は、治療開始前に医師との相談が必要です。

まとめ


マウスピース矯正をつけたままの運動については、正しい知識と準備があれば両立できます。軽めの運動であれば装着したままでもOKです。強い衝撃や接触が予想されるスポーツでは適切な保護を施し、場合によっては外して行いましょう。矯正治療を中断せず、日々の健康やパフォーマンスを維持することが可能です。