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予防歯科

マウスウォッシュ使用率、実はこんなに多い?患者さんのリアルな割合

マウスウォッシュ使用率、実はこんなに多い?患者さんのリアルな割合

まつもと歯科 理事長・総院長 松本 正洋

マウスウォッシュはどのくらいの割合で使われているの?

おおよそ2〜3割の患者さんが日常的に使っています。

この記事はこんな方に向いています

  • 「自分以外のみんなはどうしてるの?」と気になる方
  • マウスウォッシュの必要性やメリットを知りたい方
  • どんな人が使っていないかも気になる方

この記事を読むとわかること

  1. マウスウォッシュの使用率って思ったより高いのか低いのか
  2. なぜその割合なのか、その背景と理由
  3. 年代や目的によってどう変わるのか
  4. 実際に使っている人の効果と、使っていない人が抱える理由

 

マウスウォッシュの使用率は約2〜3割

歯科診療を受けている患者さんの中で、毎日の歯磨きにプラスしてマウスウォッシュを併用している方は、おおよそ2〜3割程度です。その結果、残り7割前後の方はマウスウォッシュを普段は使っていないという状況です。

マウスウォッシュ使用率は約2〜3割。

なぜその割合になるのか

マウスウォッシュが普及し切れていない背景には、コスト、使い方への不安、効果への認識不足などがあります。一方、使用者の中には、歯垢コントロールや口臭ケアへの意識の高さ、健診での指導などがきっかけとなっている方も少なくありません。

コストや続け方の面倒さが普及のブレーキ。一方で効果や健診指導がきっかけで使い始める方も。

  1. コスト面の負担
    → マウスウォッシュは続けると歯磨き粉より高いこともあるため、気軽に始めにくい。
  2. 使い方への不安
    → 「うがいで効果があるの?」といった疑問が普及を妨げやすい。
  3. 効果の認識不足
    → 歯垢や虫歯予防の補助としての有効性がまだ十分に知られていない。
  4. 歯科健診での推奨
    → 歯科医院での説明や指導がきっかけで使い始める方が一定数いる。

このように、使わない理由と使い始めるきっかけがそれぞれあって、結果的に約2〜3割の使用率に落ち着いているのです。

具体例①:年代別の使用割合比較

年齢層によってマウスウォッシュの使用割合には差があります。20~30代は忙しさや情報へのアクセスの高さで比較的使っている割合が高く、50代以降は口臭ケアなどへの関心から使用する方が増えます。

年代別で使用率は異なり、若年層と中高年層でやや傾向が違う。

  1. 20〜30代
    → 情報感度が高く、美容・健康への関心から使う人がやや多め。
  2. 40〜50代
    → 仕事や家庭の忙しさで習慣化しにくいが、口臭や歯周ケアで必要性を感じる方も。
  3. 60代以上
    → 健診での指導や口腔内の変化をきっかけに使い始める方が増える。

こうして見ると、そもそも“使う動機”や“求めるニーズ”が年代で違うから、使用割合にも差が出るのが自然ということになります。

具体例②:使用のメリットを裏付けるデータ

複数の研究データでは、マウスウォッシュを歯磨きにプラスすることで、歯垢の除去率が向上したり、歯肉の炎症が抑えられたりするという結果が示されています。その結果、虫歯や歯周病の予防にも一定の効果が期待できます。

マウスウォッシュにはプラスαの口腔ケア効果があり、データで効果が示されている。

  1. 歯垢の除去補助
    → 歯磨きだけでは落としにくい部分の歯垢へも効果あり。
  2. 歯肉炎の軽減
    → 抗菌成分により、歯肉の赤みや腫れが改善されるケースがある。
  3. 口臭ケア効果
    → 香味や殺菌効果で、口臭の原因物質を減らせることも。

これらのデータから、マウスウォッシュは“歯磨きの補助として有力”っていう信頼性が高まります。

具体例③:使っていない人の声・理由

使っていない人からは「うがいが手間」「匂いや味が苦手」「歯磨きだけで十分」といった声が聞かれます。その結果、マウスウォッシュは習慣になりにくい側面もあります。

マウスウォッシュが習慣にならない理由は、“手間・味・不要感”など。

  1. 手間を感じる
    → 「歯磨きだけでいいかな」と感じる方が多い。
  2. 味や匂いへの抵抗
    → 強い香味やアルコール感が苦手な方には続けにくい。
  3. 「歯磨きだけで十分」との認識
    → 補助的な役割の必要性が伝わりにくく、飛ばされがち。

こうした心理や生活習慣の壁が、残りの7割ほどの方が使いにわたらない理由になっています。

データでみる「マウスウォッシュ使用割合」の最新事情

数字は「どの頻度で使っている人を“使用者”とカウントするか」で変わります。たとえば、2日に1回以上という“ほぼ習慣”レベルでは日本の使用割合は21%と報告されています。一方、週1回以上まで広げると約34%というデータもあります。

さらに、2024年の国内調査では「使用している」が32.5%、特定層(30〜40代女性)を対象にした調査でも約3割が使用という結果が出ています。つまり、「常用(高頻度)」は2割前後、「時々含む広めの定義」だと3割強が現在の相場観です。

「高頻度」は約2割、「時々含む」と約3割強。

  1. 2日に1回以上=21%
    → “ほぼ習慣”レベルの使用者を集計した国際比較データ。日本は最低水準。https://
  2. 1日2回使用=21%
    → “かなりの高頻度”条件での日本の割合。15カ国平均は33%。
  3. 週1回以上=34%
    → 独自アンケート(有効回答100)。“時々”層まで含めると3割超へ。サンプルは小さめ。
  4. 「使用している」=32.5%
    → 2024年の国内調査(母集団:一般生活者)。定義は“使用の有無”。

www.sunstar.com/jp/newsroom/20211108

海外と比べると、いま日本はどの位置?

国際調査では、日本は洗口液の使用頻度が最下位グループ。たとえば1日2回使う人は日本21%/15カ国平均33%、2日に1回以上でも日本21%。スペインやタイは約41%と、日本より高い傾向でした。

日本は使用頻度が低め。でも関心は高い。

  1. 関心は高い
    → 日本は「口臭が気になる」割合が高水準。行動(使用)とのギャップが課題。
  2. 実行率は控えめ
    → 同じ“ケア意識”でも、洗口液の“習慣化”が追いついていない。
  3. 数字は“頻度”で変動
    → “毎日2回”と“週1回以上”では分母が違うため、比較時は条件明記が必須。

マウスウォッシュの使用割合の比較表

調査条件 日本の割合 備考・比較
毎日2回使用 約21% 15カ国平均33%、スペイン・タイ41%
2日に1回以上使用 約21% 日本は最下位グループ、関心は高いが実行率低め
週1回以上使用 約34% 国内小規模調査(n=100)、時々含むと3割超
「使用している」と回答 約32.5% 国内横断調査(2024年、一般生活者)

この表からわかるように、「毎日習慣として続けている」層は約2割前後にとどまりますが、「時々含む」と3割強まで広がります。

どんな患者さんに向いてる? シーン別の提案

マウスウォッシュは“全員マスト”ではありませんが、特定のニーズに刺さると継続率が上がります。以下のような患者さん像ごとに目的×タイミングを提案すると、行動に落ちやすいです。

目的とタイミングをセットで処方箋化。

  1. 口臭対策を早く実感したい人
    → 朝の外出前・会議前など“ここぞ”の直前ルーチンに。効果の体感がモチベに。
  2. 歯垢コントロールを底上げしたい人
    → 就寝前+フロス後の仕上げ。歯磨きで落としきれない部分の菌数低減に期待。
  3. 装置や被せ物・詰め物が多い人
    → 清掃の死角ができやすい。歯磨き+補助具+洗口の三点セットで管理を安定。
  4. 唾液が少なめでねばつきが気になる人
    → ノンアルコール&低刺激タイプを“うるおい補助”として。刺激で避けてた人にも導入しやすい。

まとめ

マウスウォッシュ使用は2〜3割、その意味とアドバイス

患者さんの約2〜3割がマウスウォッシュを使っていて、その背景にはコスト・手間・認識の差があることがわかります。その結果、誰にとっても絶対必要ではないけれど、特定の目的や習慣の中で活きるケアアイテムとして存在感があります。

気になる方は、まずは健診で相談してみるのが手堅いスタート。少量タイプから試して、「続けられるかどうか」を見てみるのもアリですね。

使用率は約2〜3割。すぐに必要とは限らないけれど、歯垢ケアや口臭対策にプラスしたい方にはおすすめ。まずは少量からトライしてみましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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