マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなることはある?原因と対処法を解説

マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなることはある?

マウスピース矯正の途中で、一時的に奥歯が噛み合いにくくなることはあります。歯を少しずつ動かしている途中では、上下の歯の接触関係も変化するためです。

また、マウスピースを上下の歯に装着することで奥歯に力が加わり、奥歯がわずかに沈み込んだような状態になることもあります。

ただし、奥歯が噛み合わない状態が長く続いている場合や、左右どちらかだけ強く当たる場合などは、治療計画どおりに歯が動いているか確認したほうがよいケースがあります。

この記事を読むとわかること

  1. マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなる理由
  2. 治療途中なら問題ないケース
  3. 歯科医院へ相談したほうがよい症状
  4. 奥歯が噛み合わない場合の治療方法
  5. マウスピース矯正中に自分で気をつけたいポイント

「噛めない=失敗」と考えるのではなく、現在が治療のどの段階なのかを見ることが大切です。

 

マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなることはある?

マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなることはある?の図解【図解】マウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなることはある?

あります。マウスピース矯正では歯を少しずつ移動させていくため、治療途中に一時的に上下の歯の接触が変わり、奥歯で噛みにくいと感じることがあります。

矯正治療は、最初から最後まで常に完成形の噛み合わせを維持したまま進むわけではありません。歯並びを整える過程で、ある時期には前歯が当たりやすくなったり、反対に奥歯が当たりにくくなったりすることがあります。

治療途中の「噛みにくさ」は珍しいことではありません。ただし、長期間続く場合は確認が必要です。

ここで重要なのは、「今噛み合っているか」だけではなく、最終的にどのような噛み合わせを目指して歯を動かしているのかという視点です。

奥歯が噛み合わないといっても、その程度や原因はさまざまです。
まずは現在の状態を大まかに整理してみましょう。

状態 考えられる状況
治療途中だけ噛みにくい 歯が移動している過程で一時的に噛み合わせが変化している可能性があります
前歯だけ当たる 奥歯が十分に接触していない可能性があります
片側の奥歯だけ当たる 左右で歯の動き方に差が生じている可能性があります
治療終盤でも奥歯が噛めない 追加の噛み合わせ調整が必要になる場合があります

同じ「噛み合わない」という症状でも、治療開始直後と治療終了間近では意味が異なります。そのため、自分だけで治療の成否を判断せず、定期的に噛み合わせを確認してもらうことが大切です。

なぜマウスピース矯正で奥歯が噛み合わなくなるの?

主な理由として、歯を動かしている途中の噛み合わせの変化、マウスピースの厚み、奥歯の沈み込み、歯が治療計画どおりに動いていないことなどが考えられます。

原因は一つとは限りません。複数の要因が重なっているケースもあります。

「マウスピースだから噛めなくなる」というより、歯の移動と装置の影響を含めて原因を考える必要があります。

代表的な原因を見てみましょう。

1. 歯を移動させている途中だから

歯の位置が変われば、上下の歯が接触する位置も変わります。そのため、治療途中には一時的に噛み合わせが不安定になることがあります。

2. マウスピースの厚みが上下の奥歯に加わるから

マウスピースは上下の歯全体を覆います。装着中は上下の奥歯の間にマウスピースの厚みが入り、奥歯に持続的な力が加わることがあります。

3.奥歯がわずかに沈み込むことがあるから

奥歯に垂直方向の力が加わり続けると、奥歯の高さがわずかに変化し、マウスピースを外したときに上下の奥歯が接触しにくくなる場合があります。

4. 一部の歯が治療計画どおりに動いていないから

マウスピースと歯の間に浮きがあるなど、適合が悪くなると、予定した位置まで歯が移動しないことがあります。その結果、上下の歯の位置関係にズレが生じる場合があります。

このように、奥歯が噛み合わない原因には「治療途中なら起こり得る変化」と「治療計画の修正が必要な変化」の両方があります。

大切なのは、症状だけで原因を決めつけないことです。

奥歯が噛み合わなくても様子を見てよいのはどんな場合?

治療途中で軽い噛みにくさがあるものの、定期的な診察で歯が予定どおり動いていることを確認できている場合は、その後の歯の移動によって噛み合わせが変化することがあります。

矯正治療では、歯並びだけでなく上下の歯の位置関係を段階的に調整していきます。

治療途中であること、症状が強くないこと、歯科医師が経過を確認していることが一つの目安です。

「様子を見やすい状態」と「相談したほうがよい状態」を比較すると判断しやすくなります。ただし、これはあくまで一般的な目安です。

比較的経過を見やすい状態 歯科医院へ相談したい状態
治療途中で軽い違和感がある 治療終盤になっても奥歯が噛めない
マウスピース交換後だけ噛みにくい 数週間以上、強い噛みにくさが続いている
歯科医師から経過に問題ないと説明されている 左右どちらか一方だけ強く当たる
食事に大きな支障がない 食べ物を奥歯ですりつぶしにくい

「そのうち治るだろう」と自己判断して長期間放置することはおすすめできません。特に、以前より明らかに噛みにくくなった場合は次回の診察を待たず相談してもよいでしょう。

奥歯が噛み合わないときに歯科医院へ相談したほうがよいサインは?

前歯しか当たらない、片側だけで噛んでいる、マウスピースが浮いている、噛みにくさが長期間改善しないといった場合は、治療を担当している歯科医師に相談しましょう。

噛み合わせは少しずつ変化するため、本人が感じる違和感も重要な情報です。

「痛くないから大丈夫」ではなく、噛み方が以前と大きく変わった場合も相談の目安になります。

例えば、次のような状態です。

  1. 前歯しか接触せず奥歯が浮いている
  2. 左右どちらか一方でしか噛めない
  3. 食べ物を細かく噛みにくくなった
  4. マウスピースが奥歯から浮いている
  5. 新しいマウスピースがきちんとはまらない
  6. 奥歯の噛みにくさが徐々に強くなっている
  7. 顎に疲れや違和感が出るようになった

一つだけ当てはまれば必ず問題があるというわけではありません。

しかし、「以前より悪化している」「左右差が大きくなっている」「食事に支障が出ている」という変化がある場合は、経過を確認してもらうことをおすすめします。

奥歯が噛み合わない場合はどのように治すの?

原因によって対応方法は異なります。装着時間やマウスピースの適合を確認するだけで改善が期待できるケースもあれば、追加のマウスピースを作製して歯の位置を調整するケースもあります。

マウスピース矯正では、一度作ったマウスピースだけで必ず治療が完了するとは限りません。

原因を確認し、必要に応じて追加調整を行いながら最終的な噛み合わせを整えていきます。

奥歯が噛み合わない場合に考えられる代表的な対応方法をまとめます。実際の方法は歯並びや治療段階によって異なります。

対応 主な内容
装着状況の確認 装着時間やマウスピースの浮きがないか確認します
追加マウスピース 再度歯型データを採り、噛み合わせを調整するためのマウスピースを作製します
アタッチメントの調整 歯を動かすための突起の位置や形を調整することがあります
顎間ゴム 上下の歯の位置関係を整えるために使用することがあります
部分的なワイヤー矯正 マウスピースだけでは動かしにくい歯を補助的に調整する場合があります

大切なのは「マウスピース矯正だから最後までマウスピースだけで治さなければならない」と考えすぎないことです。治療の目的は装置を使い続けることではなく、歯並びと噛み合わせをできるだけ適切な状態に整えることです。

自分でできる対策はある?

まず大切なのは、指示された装着時間を守り、マウスピースをしっかり歯に適合させることです。ただし、奥歯が噛み合わないからといって、自分の判断でマウスピースの装着を中断したり、交換時期を変更したりするのは避けましょう。

患者さん自身の装着状況は、マウスピース矯正の進み方に影響します。

「噛みにくいから外しておこう」ではなく、まず担当の歯科医師へ相談することが基本です。

特に確認したいのは次のポイントです。

  1. 指示された装着時間を守る
  2. マウスピースに浮きがないか確認する
  3. 指示された場合はチューイーなどを使用する
  4. 自分の判断で次のマウスピースへ進まない
  5. 食いしばりや歯ぎしりが気になる場合は相談する
  6. 定期的な診察を受ける

マウスピース矯正は取り外しができることが大きなメリットですが、裏を返せば患者さん自身の装着管理も治療結果に関係する治療法です。

「装着しているつもり」でも、奥歯部分が浮いたまま使用しているケースもあります。マウスピース交換時には、前歯だけでなく奥歯まできちんとはまっているか確認しましょう。

奥歯が噛み合わないまま治療が終わることはある?

治療終了時には歯並びだけでなく、上下の歯がどのように接触しているかも確認することが大切です。見た目がきれいになっていても、奥歯で十分に噛めないのであれば、追加調整を検討する場合があります。

ここはマウスピース矯正を考えるうえで、とても重要なポイントです。

「歯が並んだ=治療終了」ではありません。噛み合わせまで確認して初めて治療結果を評価できます。

前歯は鏡で確認しやすいため、患者さん自身も変化を実感しやすい部分です。

一方、奥歯の噛み合わせは鏡では確認しにくく、「歯並びはきれいなのに、なぜか食事がしづらい」という形で問題に気づく場合があります。

そのため治療終盤では、「見た目はどうなったか」だけでなく「左右の奥歯で普通に食べ物を噛めるか」という生活上の感覚も歯科医師へ伝えてください。

奥歯の噛み合わせを直すと治療期間や費用は増える?

追加のマウスピースによる調整が必要になれば、当初の予定より治療期間が延びる場合があります。追加費用については、歯科医院の料金体系や治療プランによって異なります。

治療開始前に、「追加調整が必要になった場合の費用」まで確認しておくと安心です。

マウスピース矯正の費用を見るときは、最初の料金だけでなく追加調整の扱いまで確認しましょう。

治療期間や追加費用は一律ではありません。
次のようなポイントを事前に確認しておくと治療中の不安を減らせます。

確認項目 確認しておきたい内容
追加マウスピース 追加作製が治療費に含まれているか
追加調整 治療期間が延びた場合に追加費用が発生するか
通院回数 噛み合わせ調整によって通院回数が増える可能性があるか
治療終了の基準 歯並びだけでなく噛み合わせまで確認して治療を終了するのか

マウスピース矯正では治療途中に計画を微調整することがあります。そのため、「何か月で終わるか」という数字だけでなく、どの状態になれば治療終了と判断するのかも確認しておくとよいでしょう。

マウスピース矯正では「見た目」と「噛めること」の両方が大切

マウスピース矯正の目的は、単に前歯を一直線に並べることではありません。歯並びを整えると同時に、上下の歯ができるだけ適切に噛み合う状態を目指すことも重要です。

治療途中では一時的に奥歯が噛み合わなくなることがありますが、すべてが異常というわけではありません。

矯正治療では「歯並びの写真映え」だけではなく、「食事のときにきちんと噛めるか」まで確認することが大切です。

特に、

前歯だけが強く当たる
左右どちらかだけで噛んでいる
奥歯が何週間も接触しない
マウスピースが奥歯から浮いている
食事が以前よりしづらくなった

といった変化がある場合は担当の歯科医師に相談しましょう。

まとめ|マウスピース矯正で奥歯が噛み合わないときは治療段階を確認しよう

マウスピース矯正中に奥歯が噛み合わなくなることはあります。

歯を移動させている途中の一時的な変化であれば、その後の治療によって噛み合わせが変わっていく場合があります。一方、マウスピースが歯に十分適合していなかったり、予定どおり歯が動いていなかったりすることが原因の場合は、治療計画の調整が必要になることがあります。

大切なのは、「噛み合わない=失敗」「治療途中だから放っておけば大丈夫」のどちらかに決めつけないことです。

歯並びがきれいになっているかだけでなく、「左右の奥歯で自然に食べ物を噛めるか」にも注目してみてください。

噛み合わせに違和感がある場合は、どの歯が当たるのか、いつから噛みにくくなったのか、マウスピースを外した直後だけなのかなどを担当の歯科医師に伝えると、原因を確認する手がかりになります。

マウスピース矯正では、治療途中の変化を細かく確認しながら、必要に応じて計画を調整していくことが大切です。

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