受け口の治し方7選

受け口やしゃくれは治せるの?

受け口やしゃくれは原因に合った治療を選ぶことで改善を目指せます。歯並びだけが原因の場合は矯正治療で改善できることが多く、骨格のズレが大きい場合には外科的な治療を組み合わせるケースもあります。

見た目の問題だけでなく、噛みにくさや発音、顎への負担につながることもあるため、「気になるけど放置している」という状態が長く続くほど悩みが深くなる方もいます。

この記事では、

  1. 受け口としゃくれの違い
  2. 原因ごとの治し方
  3. 矯正治療で改善できるケース
  4. 手術が必要になるケース
  5. 自力で治せるのか
  6. 治療を始める前に知っておきたい注意点

などを、一般の方にもわかりやすく解説します。

また、「見た目だけの問題と思っていたら、噛み合わせや呼吸にも影響していた」というケースもあるため、機能面にも触れながらお話ししていきます。

 

受け口としゃくれはどう違うの?

「受け口」と「しゃくれ」は同じ意味で使われることがありますが、厳密には少し違います。受け口は噛み合わせの問題を指し、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。一方、しゃくれは顎の見た目を表す言葉で、下顎が前に出て見える顔立ちを指します。受け口でもしゃくれて見えない方もいれば、骨格によってしゃくれて見える方もいます。

受け口は「噛み合わせ」、しゃくれは「見た目」の表現です。

受け口は歯科では「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれます。
正常な噛み合わせでは上の前歯が下の前歯より前にありますが、受け口では逆になります。

一方で、しゃくれは医学用語ではなく、

  • 顎が前に出て見える
  • 横顔のラインが気になる
  • 下顔面が長く見える

といった見た目の印象を表す言葉です。

この2つは重なることも多いですが、必ずしも同じではありません。

受け口としゃくれは混同されやすいため、まずは違いを整理しておくと理解しやすくなります。特に「自分は歯並びの問題なのか、それとも骨格の問題なのか」を知ることは、治療方法を考えるうえでも重要です。

項目 受け口 しゃくれ
意味 噛み合わせの異常 見た目の印象
主な特徴 下の歯が前に出る 下顎が前に見える
原因 歯並び・骨格 骨格が中心
医学用語 反対咬合 特になし
治療対象 噛み合わせ改善 顔貌改善も含む

見た目だけで判断すると、本来必要な治療とズレてしまうことがあります。
そのため、レントゲンや噛み合わせ分析を含めた診断がとても重要になります。

受け口・しゃくれの原因にはどんなものがある?

受け口やしゃくれには、歯並びだけが原因のケースと、骨格そのものが原因のケースがあります。また、幼少期の癖や舌の使い方、口呼吸などが関係している場合もあります。原因によって治療方法が変わるため、まずは「なぜ受け口になっているのか」を正確に把握することが大切です。

原因によって、矯正だけで改善できるかどうかが変わります。

代表的な原因には以下があります。

  1. 遺伝による骨格の影響
    → ご家族にも受け口傾向がある場合、骨格的な要素が強いケースがあります。
  2. 下顎の成長が強い
    → 成長期に下顎が大きく前方へ発達すると、しゃくれて見えやすくなります。
  3. 上顎の成長不足
    → 下顎ではなく、上顎が小さいことで相対的に受け口になることもあります。
  4. 舌癖や口呼吸
    → 舌を前に押し出す癖や口呼吸は、噛み合わせに影響する場合があります。
  5. 子どもの頃の癖
    → 頬杖や姿勢の悪さ、噛み癖などが関係することもあります。

これらは単独ではなく、複数が重なっているケースも珍しくありません。

特に大人になってからは、「歯だけの問題と思っていたら骨格も関係していた」というケースがよくあります。そのため、見た目だけで自己判断しないことが大切です。

受け口・しゃくれは自力で治せる?

インターネットでは「舌のトレーニングで治る」「マッサージで改善する」といった情報を見かけることがあります。しかし、成人の受け口やしゃくれを自力で根本改善するのは難しいケースがほとんどです。特に骨格が関係している場合、セルフケアだけで大きく変えることはできません。

大人の受け口は、自己流で改善するのが難しいことが多いです。

もちろん、悪化を防ぐためにできることはあります。

  • 口呼吸を改善する
  • 頬杖を減らす
  • 舌の位置を整える
  • 左右均等に噛む
  • 姿勢を整える

これらは噛み合わせへの負担軽減には役立ちます。ただし、骨格や歯並びそのものを動かすには限界があります。

特にSNSなどでは、

  • 強く押して顎を引っ込める
  • 自己流マウスピースを使う
  • 顔のマッサージをする

といった情報もありますが、顎関節への負担につながることがあります。

「自力でどこまで改善できるのか」は、多くの方が気になるポイントです。そこで、セルフケアで期待できることと、歯科治療が必要になるケースを整理してみます。

方法 期待できること 限界
舌トレーニング 悪習癖の改善 骨格は変えられない
姿勢改善 顎への負担軽減 見た目の大幅改善は難しい
口呼吸改善 口周り機能改善 成人骨格には限界
矯正治療 歯並び改善 骨格差が大きいと限界あり
外科治療 骨格改善 手術負担がある

セルフケアは「補助的な役割」と考えるのが現実的です。
無理な自己流改善を続けるより、早めに相談したほうが結果的に負担が少ないこともあります。

矯正治療だけで受け口は治せる?

歯並びが原因の受け口であれば、矯正治療だけで改善できるケースがあります。ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって歯の位置を整え、正常な噛み合わせへ近づけていきます。ただし、骨格差が大きい場合は矯正だけでは限界があり、見た目の変化が少ないこともあります。

歯並び由来なら、矯正のみで改善できる可能性があります。

矯正治療で改善しやすいのは、

  • 軽度の受け口
  • 歯の傾きが原因
  • 骨格差が小さい
  • 前歯中心のズレ

などのケースです。

治療方法としては、

  1. ワイヤー矯正
  2. マウスピース矯正
  3. 部分矯正

などがあります。

ただし、受け口治療では「見た目だけ」ではなく、

  • しっかり噛めるか
  • 発音しやすいか
  • 顎に負担が少ないか

も重要になります。

そのため、単純に前歯を引っ込めれば良いわけではありません。

また、無理に歯だけを動かすと、横顔のバランスが不自然になるケースもあります。ここは一般の方が想像している以上に、診断力の差が出やすい部分です。

矯正治療にも種類があり、それぞれ特徴が異なります。
受け口治療では「見た目」「噛み合わせ」「治療期間」のバランスを考えることが大切です。

矯正方法 特徴 向いているケース
ワイヤー矯正 幅広い症例に対応 中等度以上
マウスピース矯正 目立ちにくい 軽度中心
部分矯正 前歯中心 軽いズレ
小児矯正 成長誘導可能 子ども
外科矯正 骨格改善可能 重度

「見えにくいから」という理由だけで矯正方法を決めると、途中で計画が変更になるケースもあります。特に受け口治療では、見た目以上に骨格の分析が重要になります。

手術が必要になる受け口・しゃくれとは?

骨格のズレが大きい場合、矯正治療だけでは改善が難しいことがあります。その場合、外科矯正と呼ばれる治療が検討されます。これは矯正治療と顎の手術を組み合わせる方法で、見た目と噛み合わせの両方を改善することを目指します。

骨格差が大きい場合は、手術併用が必要になることがあります。

手術が検討されやすい特徴には、

  1. 顎が大きく前に出ている
  2. 横顔のバランス変化が大きい
  3. 噛み合わせが大きくズレている
  4. 発音しにくい
  5. 食べにくい

などがあります。

外科矯正では、

  1. 術前矯正
  2. 顎の手術
  3. 術後矯正

という流れになることが一般的です。

期間は長くなる傾向がありますが、骨格から改善できるメリットがあります。

一方で、

  • ダウンタイム
  • 腫れ
  • 入院
  • 費用
  • 不安感

なども伴います。

そのため、「本当に手術が必要なのか」を慎重に判断することが大切です。

ここで大事なのは、“しゃくれている=必ず手術”ではないという点です。SNSでは極端なビフォーアフターが注目されがちですが、実際には矯正のみで十分改善する方もいます。

子どもの受け口は早めに治したほうがいい?

子どもの受け口は、成長を利用して改善できる可能性があります。特に小児矯正では、上顎の成長を促したり、下顎の成長バランスを整えたりすることで、大人になってからの負担を減らせる場合があります。

子どもの受け口は、早期対応が有効な場合があります。

子どもの場合、

  1. 骨が柔らかい
  2. 成長誘導が可能
  3. 骨格バランスを整えやすい

という特徴があります。

特に、

  • 前歯の反対咬合
  • 下顎の突出傾向
  • 家族歴がある

場合は、早めに相談する価値があります。

もちろん、全員がすぐ治療開始になるわけではありません。

成長観察をしながら、

  1. 治療開始時期
  2. 成長予測
  3. 永久歯への生え変わり

などを総合的に判断します。

子どもの受け口は、「今困っていないから様子見」で長期間放置されることがあります。ただ、成長後に骨格差が強くなると、将来的に治療難易度が上がるケースもあります。

子どもと大人では、受け口治療の考え方がかなり異なります。成長を利用できるかどうかは、治療方針に大きく関係します。

比較項目 子ども 大人
骨格成長 利用できる ほぼ終了
治療選択肢 成長誘導可能 歯の移動中心
骨格改善 比較的しやすい 手術が必要なことも
治療期間 成長観察含む 症例差が大きい
予防効果 将来負担軽減 現状改善中心

「まだ小さいから様子見」と「今が介入タイミング」の見極めはとても重要です。
受け口傾向がある場合は、一度矯正相談を受けておくと安心です。

受け口・しゃくれ治療で後悔しないためには?

受け口治療では、見た目だけを基準にすると後悔につながることがあります。大切なのは、噛み合わせ・顔貌・機能性のバランスを考えることです。また、医院によって診断方針が異なるため、複数の意見を聞くことも大切です。

「どれくらい改善したいか」をしっかりと考えてから始めることが重要です。

後悔を減らすポイントとしては、

  1. 精密検査を受ける
  2. 骨格分析を確認する
  3. メリットだけで判断しない
  4. 見た目だけを優先しすぎない
  5. 治療後の変化を具体的に聞く

などがあります。

特に注意したいのが、「横顔だけ」を気にしすぎるケースです。

口元は変化しても、

  • 顔全体の印象
  • 顎のライン
  • 唇の厚み
  • 鼻とのバランス

によって見え方は変わります。

そのため、「理想の芸能人と同じ横顔になる」という考え方ではなく、自分の骨格に合った自然な改善を目指すことが大切です。

子供の受け口・しゃくれの治し方

子供のマウスピース矯正

4. マウスピース矯正を行う

ムーシールドという代表的な子供用マウスピースについてご紹介します。

メリット

  1. 夜寝ている間につけるだけなので見た目を気にしなくて済む
  2. 小さな子供でもストレスを感じにくい
  3. 痛みを感じにくい

デメリット

  1. 子供さん本人の協力が得られないと効果が得られない
  2. 夜寝ている間、無意識に外してしまうことも

治療期間

およそ数ヶ月〜半年ほどかかります。

マウスピース(ムーシールド)を使って子供の受け口矯正ができるのは、およそ3歳からです。というのも、3歳未満など子供さん本人の協力が得にくいため矯正効果が期待できないから。また3歳を過ぎてからでも、受け口(しゃくれ)の治療は間に合うからです。

また受け口が治ってからも、後戻りしないようマウスピース(ムーシールド)の使用を続けることが大切です。

筋機能療法とは

口腔筋機能療法(MFT)とは、舌・口唇・頬筋・咀嚼筋などの口腔周囲筋の機能を改善し、歯列に及ぶ筋圧のバランスを整えるためのプログラムである。不正咬合や矯正治療の後戻りなどの原因となる口腔機能の諸問題を改善する指導法として主に歯科診療室内で行われており、歯列の正常な成長発育を促進するとともに、健康な歯列を長期間維持するための環境づくりを目指すものである。

引用 Quint Dental Gate

5. チンキャップで治す

チンキャップ

メリット

  1. 使い勝手が良く、小さな子供でも協力を得やすい
  2. 下あごの成長を抑制する効果が高い

デメリット

  1. 見た目が目立つため自宅でしか使用できない
  2. 本人の協力が得られないと効果が出にくい

治療期間

1日のうち12時間はチンキャップ を着用します。治療期間は数ヶ月〜1年前後です。

6. リンガルアーチで治す

メリット

  1. 固定式のため短期間で効果が得られる
  2. 歯の裏側に装置がつくため見た目が目立たない

デメリット

  1. 食べづらさ話しづらさを感じることがある
  2. 虫歯歯肉炎リスクが上昇する可能性がある

治療期間

数ヶ月〜1年ほどです。他の矯正装置を併用することも多く、合わせると1年以上かかることが多いです。

7. 床矯正装置で治す

プレートを使った矯正真ん中のネジを巻くと装置が左右に広がります。これによりあごの大きさを広げていくのが床矯正です。主に小児矯正で使用されます。

メリット

  1. 付け外しが自由にでき、清潔を保てる
  2. 歯を抜かずに受け口を治せることも
  3. 治療中痛みを感じにくい

デメリット

  1. 本人の頑張り次第で効果が変わる
  2. 単独では歯並びが治らず、他の矯正方法が必要になることも

治療期間

およそ半年〜1年ほどです。

など胃腸にも影響を与えます。

Q&A

受け口は自然に治ることがありますか?

子どもの軽度なケースでは、成長によって改善傾向を示すことがあります。ただし、骨格性の受け口は成長とともに強くなる場合もあります。大人になってから自然改善するケースは少なく、自己判断せず相談することが大切です。

マウスピース矯正だけで治せますか?

軽度〜中等度であれば対応可能なケースもあります。ただし、骨格差が大きい場合は適応外になることがあります。「目立たないから」という理由だけで選ばず、診断結果を重視することが重要です。

受け口治療は保険適用になりますか?

一般的な矯正治療は自由診療です。ただし、顎変形症と診断され、指定施設で外科矯正を行う場合は保険適用になるケースがあります。適用条件があるため、詳しくは医院で確認が必要です。

治療すると横顔は変わりますか?

受け口改善によって口元やフェイスラインが変化することがあります。特に骨格性のケースでは横顔変化が出やすい傾向があります。ただし、変化量には個人差があります。

何歳からでも治療できますか?

大人でも治療は可能です。最近は30代〜50代で矯正相談をされる方も増えています。年齢だけで諦めず、まずは現在の状態を確認することが大切です。

まとめ

受け口やしゃくれは、

  • 歯並び
  • 骨格
  • 成長
  • 習癖

など、さまざまな要因が関係しています。

そのため、「みんな同じ治し方」にはなりません。軽度なら矯正のみで改善できるケースもありますし、骨格差が大きい場合は外科治療が必要になることもあります。

また、受け口治療では見た目だけでなく、

  1. 噛みやすさ
  2. 発音
  3. 顎への負担
  4. 将来的な歯の健康

も重要です。

最近はSNSで極端な症例を見る機会が増えていますが、本当に大切なのは“自分に合った自然な改善”です。

「治療が必要なのかわからない」
「矯正だけで治るのか知りたい」
「横顔が気になる」

という場合は、まずは精密検査を受けて、現在の状態を正確に知るところから始めてみましょう。

https://www.matsumoto.or.jp/sinryo/kyousei.html

 

監修

医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科

歯列・歯並び・ 咬み合わせのお悩みなら。マウスピース、インビザライン、裏側、小児矯正等。LINE相談可。八重歯、出っ歯、受け口の治療など得意です。大阪梅田、なんば、心斎橋、吹田、豊中、神戸にあります。

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