自宅で行えるホワイトニングは、市販のホワイトニング用品やホームホワイトニングをはじめ、方法も様々で、それぞれに特有のメリット・デメリットがあります。自宅で行えるホワイトニングの種類とその効果をご説明します。
自宅で行うホワイトニングとその効果
- ホームホワイトニング
- 歯磨き粉を使用する
- 歯の消しゴムを使用する
- 歯のマニキュアを使用する
- その他市販品を使用する
1. ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、歯科医院で専用のマウスピースを作り、ホワイトニング自体は自宅で自分で行う方法です。
メリット
自宅で行うといっても、この「ホームホワイトニング」は歯科医師や歯科衛生士の指導のもと始めていきます。そのためホワイトニング効果が高く、万が一問題が起きてもすぐに対応できるのがメリットでしょう。
また歯が白くなるだけでなく、透明感も感じられるのがホームホワイトニングの特徴です。ホワイトニング剤によっては虫歯や歯周病予防効果があるものもあります。
デメリット
市販品などに比べると費用がかかることがデメリットです。また正しい使用量・方法で行わないと、歯がしみたり粘膜が痛むことがあります。
加えて、長時間歯にマウスピースをつけていなければいけません。気になる方や苦手な方は続けるのが難しいです。
ホワイトニングにかかる時間
ホワイトニング剤の種類にもよりますが、30分〜就寝中ずっとなど幅が広いです。
効果が出るまでの期間
基本的にホームホワイトニングは毎日行います。毎日行った上で効果がはっきりと現れるまでおよそ2週間ほどかかると言われています。
ホワイトニング剤の種類や濃度にもよりますが、じっくりと薬液を浸透させていくため少し時間がかかります。
白くなる度合い
しっかり毎日ホームホワイトニングを続けていれば、歯が白くなったとすぐにわかるくらいまで歯を白くすることができます。
手順・流れ
歯科医院で歯型を取ってマウスピース作製
↓
マウスピースとホワイトニング剤受け取り
↓
自宅でホワイトニング
↓
定期的なメンテナンス
2. 歯磨き粉を使用する
「歯が白くなる」などと書かれた歯磨き粉を使う方法です。最近では市販品だけでなくインターネット上で売られているものなど、さまざまな種類を見かけます。
メリット
何と言ってもさまざまな種類があり、ドラッグストアやコンビニなどどこででも手に入る手軽さでしょう。値段も安いので試しやすいのもメリットです。
デメリット
デメリットはその効果です。市販品に含んで良いホワイトニング成分は、日本の法律で厳しく制限されています。そのため市販品では、ホワイトニング効果を感じられないことが多いです。
ホワイトニングにかかる時間
歯磨き粉なので、歯磨きにかかる時間と同じです。
効果が出るまでの期間
歯磨きを使ったホワイトニングでは効果も限られており、使えば使うほど効果が高まるということもほとんどありません。そのため効果を感じられる方は、1回でも感じられるでしょう。
白くなる度合い
歯科医院が絡むホワイトニングと違い、歯磨き粉を使ったホワイトニングは着色やくすみが取れる程度です。タバコのヤニや茶渋などが原因で歯の色が気になる方は、効果を感じられるでしょう。
ただもともとの歯の色を白くしたいなど、着色が原因でない場合は効果をほとんど感じられないでしょう。
手順・流れ
歯磨きと同じですね。一般的なペーストタイプだけでなくジェルタイプ、液体タイプなどがありますが、いずれも歯ブラシにつけていつも通り磨くだけです。
3. 歯の消しゴムを使用する
「歯の消しゴム」で歯をこすって歯を白くする方法です。
メリット
何といってもその手軽さでしょう。市販されているものが多いので、安価で試しやすいのもメリットです。
歯の消しゴムは、シリコーンゴムでできたチップのようなものに、研磨剤をつけて使用します。あるいはもともとシリコーンゴムに研磨剤が含まれているものもあります。これで歯をこすることで歯を白くします。
デメリット
デメリットはその効果です。歯の消しゴムなど、市販品に含んで良いホワイトニング成分は日本の法律で厳しく制限されています。そのため市販品では、ホワイトニング効果を感じられないことが多いです。
また歯の消しゴムでこすりすぎると、含まれている研磨剤により歯の表面が傷つくことがあります。
ホワイトニングにかかる時間
歯の消しゴムで歯の表面をこするだけでなので、1分もかからないでしょう。
効果が出るまでの期間
使用後すぐ効果を感じられるでしょう。ただ取れるのは着色やくすみ程度です。
白くなる度合い
歯科医院が絡むホワイトニングと違い、歯の消しゴムを使ったホワイトニングは着色やくすみが取れる程度です。「歯が白くなる」と書かれた歯磨き粉と同じですね。タバコのヤニや茶渋などが原因で歯の色が気になる方は、効果を感じられるでしょう。
ただもともとの歯の色を白くしたいなど、着色が原因でない場合は効果をほとんど感じられないでしょう。
手順・流れ
いつも通り歯磨き
↓
歯の表面の水分・唾液を拭き取る
↓
普通の消しゴムのように、歯の表面に当てて優しくこする
4. 歯のマニキュアを使用する
歯の表面に白い塗料を塗ることで歯を白く見せます。
メリット
歯科医院で行う歯のマニキュアと、自宅で自分で行う歯のマニキュアでは多少効果に差があります。ただいずれも歯の表面に塗料を塗るだけなので、すぐに効果を感じられるのがメリットです。明日までに歯を白くする!というのも可能です。
デメリット
歯のマニキュアを塗ることで歯を白く見せることができますが、マニキュアを塗ることにより着色しやすくなるのがデメリットです。
また市販の歯のマニキュアは歯磨きで塗料が取れてしまうなど、効果を長持ちさせたい場合は不向きです。
歯科医院で行う歯のマニキュアは30〜60分程度で、1回の通院のみ。市販されている歯のマニキュアは自分の歯に塗るだけなので数分で終わるでしょう。
効果が出るまでの期間
歯のマニキュアを塗ればすぐに効果を感じられます。急ぎの方や、今日中に歯を白くしたい!という方でもすぐに効果を感じることができます。
歯科医院で行う歯のマニキュアは、その効果が1〜3ヶ月ほど持ちます。市販されている歯のマニキュアは、その効果は当日のみであることが多いです。
白くなる度合い
歯科医院で行う歯のマニキュアはカラーバリエーションが豊富で、自分がなりたい色を選ぶことができます。真っ白ではなく自然な歯の色にしたいなども可能です。市販の歯のマニキュアは色を選べないことが多いです。
手順・流れ
歯磨き・クリーニング
↓
歯の表面の水分・唾液を拭き取る
↓
歯のマニキュアを塗る
5. その他市販品を使用する
その他LED付きのマウスピースや海外製の市販品、ホワイトニングテープなど多くの市販品があります。
メリット
歯磨き粉や歯の消しゴム、歯のマニキュア以外にもさまざまなホワイトニング用品が市販されています。いずれも自宅で、自分のペースで行えるのがメリットです。
デメリット
歯がしみるなど使用中問題が起きても、市販品であるため歯科医師や歯科衛生士のフォローを受けることができません。基本的に全て自己責任となります。
ホワイトニングにかかる時間
歯科医院が関わるホワイトニングよりも圧倒的短時間で行えるものが多いです。LED付きのマウスピースを使ったホワイトニングでも、数分で終わるものがほとんどです。
効果が出るまでの期間
基本的に市販品は、すぐに効果を感じられます。ただ取れるのは着色やくすみ程度です。
白くなる度合い
歯科医院が絡むホワイトニングと違い、着色やくすみが取れる程度です。タバコのヤニや茶渋などが原因で歯の色が気になる方は、効果を感じられるでしょう。もともとの歯の色を白くしたいなど、着色が原因でない場合は効果をほとんど感じられないでしょう。
ただ海外製のホワイトニング用品(市販)は、歯科医院で行うホワイトニングと同じ成分を含むことが許されているので、効果を感じやすいでしょう。
手順・流れ
LED付きのマウスピースを使ったホワイトニングも、海外製品やホワイトニングテープも、基本的には歯磨きを行なってから使用します。歯の表面についたおおまかな汚れを取ってから使用することで、ホワイトニング効果を高めます。
実はNG!な自宅ホワイトニング方法
重曹を使ってホワイトニング
よく見かけるのがこの「重曹ホワイトニング」です。重曹は汚れを落とす効果が高いですが、歯の表面の汚れを落とすものではありません。着色は落ちるかもしれませんが、歯が白くなるわけではありません。むしろ歯の表面が傷つくなど、リスクを考えると使用しない方がましです。歯の表面が傷つくと、かえって着色しやすくなったり歯が痛む原因となります。
レモン汁を使ってホワイトニング
レモン汁など酸性度の高いものを使って、歯のホワイトニングをしようとする方もいるようです。重曹と同じで歯にとっては刺激が強く、歯を痛めるだけなのでやめましょう。
まとめ
自宅で行うホワイトニングの中では、少し時間に余裕があるならば、圧倒的に歯科医院で薬剤を購入して行うホームホワイトニングがおすすめです。
覚えておきたいのは、市販品には歯科医院と同じようなホワイトニング成分は含まれていないということ。着色を落としたいだけなら市販品で満足できるかもしれませんが、もともとの歯の色はどれだけ高価な市販品を使っても白くなりません。
費用がかかるからと安価な市販品ばかり試すよりは、一度お金をかけてホームホワイトニングした方が確実で効率が良いです。歯が白くなる一番の近道でしょう。
監修
歯科衛生士 坂上明美
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
【所属学会】
日本歯周病学会
日本審美歯科学会
日本医療機器学会
日本アンチエイジング歯科学会
【資格】
スイスデンタルアカデミーエキスパート
第2種滅菌管理士
ホワイトニングコーディネーター
デンタルコーディネーター