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インプラント治療後のトラブルとその対策 長く快適に使うための注意点

インプラント治療後のトラブルとその対策

インプラント治療後にトラブルが起きることはあるの?

適切なケアを行えば多くは防げますが、清掃不足や生活習慣によって炎症やぐらつきなどのトラブルが起こることもあります。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラント治療を受けたばかりで、今後のケア方法が知りたい方
  • 治療後に違和感や腫れがある方
  • 長期的にインプラントを使い続けたい方
  • トラブルを未然に防ぎたい方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント治療後に起こりやすい主なトラブル
  2. その原因と早期対応の重要性
  3. 炎症・痛み・ぐらつきなどの対処法
  4. トラブルを防ぐ日常ケアと定期健診の大切さ

 

インプラント治療後にトラブルが起きることはあるの?

インプラント治療後に起こるトラブルの多くは、術後のケア不足や生活習慣が関係しています。痛み・腫れ・出血などの一時的な症状は多くのケースで自然に回復しますが、長引く場合は感染やインプラント周囲炎などのリスクも考えられます。早めに歯科医院でのチェックを受けることが、インプラントを長持ちさせる第一歩です。

術後のケア不足や感染でトラブルが起こることがありますが、早めの対応で多くは防げます。

よくある初期トラブル

  1. 腫れ・痛み → 手術後の一時的な炎症反応によるもの。
  2. 出血・血のにじみ → 術後数日以内は自然に治まることが多い。
  3. 違和感・しびれ → 一時的な神経反応や腫れによる圧迫が原因の場合も。

これらが1週間以上続く場合や悪化する場合は、感染などのサインの可能性があり、放置せず受診が必要です。

痛みや腫れが長引くのはなぜ?

通常、インプラント手術後の痛みや腫れは2〜3日で落ち着きます。しかし、1週間以上続く場合は、細菌感染や清掃不足が関係していることがあります。体調不良や免疫低下によって治癒が遅れる場合もあります。冷却や鎮痛剤で一時的に軽減できても、根本原因を放置すれば悪化するため、早めの歯科受診が大切です。

痛みや腫れが長引くときは感染の可能性があるため、早めに歯科医院で確認しましょう。

長引く痛みの主な原因

  1. 細菌感染(術後性炎症) → 歯垢が残って細菌が繁殖。
  2. 縫合糸周囲の炎症 → 傷口に汚れが付着。
  3. 骨との結合不良 → インプラントが骨に安定していない場合。
  4. 咬み合わせの不調 → 噛む力が一部に集中しているケース。

痛みや腫れの期間と考えられる原因

症状の期間 主な原因 対応方法
2〜3日以内 手術直後の炎症 冷却・安静・処方薬の服用
1週間以上 感染や過剰な咬合圧 歯科医院で清掃・調整
2週間以上 骨結合不全の可能性 レントゲン等で再評価

痛みが長引くときは「時間で治る」と思わず、原因を特定して治療することが重要です。

インプラントがぐらつくときはどうすればいい?

インプラントは骨としっかり結合すれば動かないはずです。ぐらつきがある場合、骨との結合不良や歯ぐきの炎症、または被せ物のゆるみなどが考えられます。放置すると骨吸収が進行する可能性があるため、早期の再固定や調整が必要です。

ぐらつきがあるときは結合不良や炎症の可能性があるため、すぐに歯科医院へ。

主な原因

  1. 骨との結合不足(オッセオインテグレーション不良)
    → 骨質や喫煙習慣などが影響。
  2. ンプラント周囲炎
    → 炎症によって支持骨が溶け出す。
  3. 被せ物のゆるみ
    → ネジや接着剤の不具合によるケース。

対応の基本は「力を加えず受診すること」。自分で締め直したり動かしたりすると、周囲の骨や歯ぐきを傷つける恐れがあります。

インプラント周囲炎とは?どんな症状が出るの?

インプラント周囲炎は、歯垢中の細菌が原因で歯ぐきや骨に炎症が起こる病気です。進行するとインプラントを支える骨が溶けて脱落することもあります。早期には出血や腫れなど軽い症状から始まり、放置すると深刻化します。毎日の歯磨きと定期健診での清掃が最大の予防策です。

歯垢が原因で起こる炎症で、放置すると骨が溶ける危険があります。

インプラント周囲炎の主な症状

  • 歯ぐきの腫れ・赤み
  • 歯磨き時の出血
  • 嫌なにおい・膿の排出
  • インプラントのぐらつき

インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病よりも進行が早いことがあり、痛みが少なく進むため気づきにくいのが特徴です。

予防・対策

  • 毎日の丁寧な歯磨きとフロスの使用
  • 定期的な歯科医院でのプロクリーニング
  • 喫煙・糖尿病のコントロール

インプラントを失わないためには、「歯磨き+定期的なメンテナンス」が最も効果的な予防策です。

被せ物が割れたり欠けたときの対処法は?

インプラントの上部構造である被せ物は、長年の使用や強い咬合圧で欠けることがあります。軽度の欠けなら修復可能ですが、大きな破損の場合は新しい被せ物を作製する必要があります。無理に使い続けると下部構造までダメージが及ぶため、早めの修理・再製が推奨されます。

被せ物が欠けたら放置せず、早めに修理や交換を行いましょう。

主な原因

  1. 強い咬みしめや歯ぎしり
  2. 外部からの衝撃
  3. 経年劣化による素材疲労

対処法

  1. 小さな欠け → 研磨や補修で対応可能
  2. 大きな破損 → 再製作やネジ交換が必要
  3. 土台の損傷 → インプラント本体の確認が必要

ポイント → 夜間の歯ぎしりがある場合は、ナイトガードの装着で予防できます。

トラブルを防ぐために日常生活で気をつけたいこと

インプラントを長持ちさせるには、正しい日常ケアが欠かせません。歯磨き不足や喫煙、ストレスによる歯ぎしりなどはトラブルの原因になります。専用ブラシやデンタルフロスの使用、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠など、生活全体を整えることが重要です。

日常のケアと生活習慣の見直しがトラブル防止の基本です。

毎日のケアポイント

  1. 歯磨きは朝・夜の2回以上
    → インプラント周囲の歯垢を残さないように丁寧に。
  2. デンタルフロスや歯間ブラシを併用
    → 歯ぐき周辺の汚れを確実に除去。
  3. マウスウォッシュを活用
    → 細菌の繁殖を抑え、口臭も防ぐ。

これらのケアを続けることで、インプラント周囲炎や被せ物の破損を防ぎ、健康的な状態を維持できます。

インプラントを長持ちさせるために定期健診が大切な理由

定期健診では、歯垢の除去や咬み合わせの確認、インプラント周囲の炎症チェックを行います。問題が軽度のうちに発見できるため、再手術や脱落を防げます。3〜6か月ごとのメンテナンスを習慣にすることが、インプラントを長期間保つ最も確実な方法です。

定期健診は、インプラントの寿命を延ばす最も効果的な予防策です。

健診で行う主な内容

  1. インプラント周囲の清掃・歯垢除去
  2. 歯ぐきや骨の状態確認(レントゲン含む)
  3. 被せ物やネジの緩みチェック
  4. 噛み合わせの微調整

健診によって小さな異変を見逃さず、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

インプラントを長く使うために

インプラントは、適切なケアと定期的なメンテナンスを行えば、10年以上快適に使い続けることができます。
しかし、ケアを怠ると炎症や破損、骨吸収などのトラブルが起きる可能性があります。

  • 痛みや腫れが続くときは早めに受診
  • 歯磨きとフロスで毎日の清掃を徹底
  • 定期健診でメンテナンスを継続

インプラントは「入れて終わり」ではなく、「ケアして育てる歯」です。
信頼できる歯科医院と二人三脚で、長く健康なお口を保ちましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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