
親知らずはいつ生えるの?抜いたほうがいいの?
親知らずは多くの場合20歳前後に生えてきますが、生え方に問題があると抜歯が必要になることがあります。抜歯が必要かどうかは個人の状態によって異なるため、正しい知識と歯科医師の診断が欠かせません。
この記事はこんな方に向いています
- 親知らずが生えてきたけれど、抜くべきか迷っている方
- 奥歯の奥に痛みや腫れを感じている方
- 将来の親知らずトラブルを避けたいと思っている方
- 抜歯後の流れや注意点を知りたい方
この記事を読むとわかること
- 親知らずが生える時期と本数の個人差
- 抜歯が必要になるサインや典型的なケース
- 抜かずに経過観察できる条件
- 抜歯のベストタイミングと回復までの目安
- 親知らずに関するよくある疑問(Q&A)
目次
親知らずは20歳前後に生えることが多い
親知らずは多くの人にとって10代後半から20代前半にかけて生えてきますが、生え方や本数には個人差があります。まったく生えない人もいれば、骨の中に埋まったまま出てこないケースもあります。
親知らずは通常20歳前後に生えてきますが、個人差があります。
- 親知らず(第三大臼歯)は、奥歯のさらに奥に位置する最後の永久歯です。
- 平均して17〜25歳頃に生えてくることが多いですが、30歳を過ぎてから出てくることもあります。
- 人によっては4本すべて揃っている場合もあれば、1〜2本しかないことや、まったく生えない人もいます。
生える時期や本数に幅があるため、「親知らずがない=異常」ということではありません。
抜歯が必要な親知らずには明確なサインがある
親知らずの生え方が不適切だと、痛みや腫れ、歯垢のたまりやすさから虫歯や歯周病の原因になることがあります。こうしたサインが見られる場合、抜歯が推奨されることが多いです。
痛みや腫れがある親知らずは、抜歯が必要なサインです。
チェックポイント
- 奥歯の周囲に慢性的な痛みや違和感がある
- 親知らずの周辺が繰り返し腫れる
- 歯茎が切れて歯垢がたまりやすい
- 隣の歯を圧迫している
- まっすぐ生えていない(斜めや横向き)
これらの症状は、親知らずが正常に生えておらず、トラブルを引き起こしている可能性を示しています。レントゲン撮影によって位置や角度を確認し、抜歯の判断を行います。
関連ページ:親知らずは抜いた方がいい?
抜歯が必要になる典型的なケースとは?
不正な方向に生えていたり、虫歯や歯周病を繰り返すような親知らずは、早めに抜歯するのが望ましいとされています。将来の歯列や健康への影響を防ぐためです。
問題のある親知らずは早めの抜歯が安全です。
よくある抜歯の必要なケース
- 横向き・斜めに生えていて隣の歯を押している
- 半分しか出ておらず歯垢がたまりやすい
- 虫歯や歯周病のリスクが高い
- 顎関節症の原因になっている
- 矯正治療を妨げる場合
これらの状態を放置すると、他の歯に悪影響を与えたり、繰り返す腫れや痛みで日常生活に支障が出ることもあります。
抜歯をせずに経過観察できる親知らずの条件とは?
トラブルを起こしていない正常な親知らずであれば、抜歯をせずに経過観察する選択も可能です。ただし、定期的な健診は欠かせません。
問題のない親知らずは抜歯せず経過観察もOKです。
抜歯が不要な条件
- 真っ直ぐ正しく生えている
- 噛み合わせに関与している
- 歯磨きしやすく清潔を保てる
- 虫歯や歯周病がない
- 隣の歯を圧迫していない
こうした条件を満たしていれば、親知らずは大臼歯として機能し続けられます。ただし、少しでも異常を感じたら、早めに歯科医院で確認することが大切です。
親知らずに関して後悔しないために大切なこと
親知らずの抜歯が必要かどうかは、自己判断ではなく歯科医師の診察によって決めることが重要です。健診を通じて早期発見し、後悔のない選択をしましょう。
親知らずは歯科医師の判断で最適な対応を。
親知らずで後悔しないために
- レントゲンで位置や状態を正確に把握する
- 痛みがなくても定期的な健診を受ける
- 歯科医師の説明をよく聞いて判断する
- 抜歯後のケアも丁寧に行う
親知らずの判断には専門的な知識が必要です。放置して悪化する前に、歯科医院で診てもらうのが安心です。
親知らずを抜くタイミングはいつがベスト?
親知らずの抜歯タイミングは、年齢や健康状態、炎症の有無によって左右されます。早めの判断がトラブル回避に役立ちます。
抜歯は炎症のない20代前半がベストなことが多いです。
親知らずの抜歯は「問題が起こる前」が理想的です。とくにおすすめなのが、以下のようなタイミングです。
- 炎症や痛みが出ていないうちに(腫れてからだと抜歯が難航することも)
- レントゲンで問題が予測される場合
- 歯列矯正の前処置として(スペースを作る目的で)
- 20代前半で体力があり、回復が早い時期
また、30代以降になると骨が硬くなり、回復に時間がかかる傾向があります。年齢と親知らずの状態を見て、歯科医師と相談しながら時期を見極めましょう。
抜歯後に気をつけるべきことと、回復までの流れ
親知らずの抜歯後は、感染や痛みを防ぐためのセルフケアがとても重要です。適切な対応をすることで、回復がスムーズになります。
抜歯後のセルフケアでトラブルを防ぎましょう。
抜歯後の注意点
- 強くうがいをしない(血餅=自然なかさぶたが流れてしまう)
- 飲酒・激しい運動は控える
- 当日の入浴は短めにする
- 麻酔が切れる前に処方された鎮痛薬を服用する
- 腫れや痛みは2〜3日でピークを過ぎる
回復の目安
期間 | 症状の目安 | 注意点 |
1〜2日 | 軽い出血や腫れ 安静が基本 | 冷やすと楽になる場合も |
3〜5日 | 腫れや痛みのピークを過ぎる | 食事は柔らかいものを。歯磨きはやさしく。 |
1週間後 抜糸(縫った場合) | 回復が進む | 通院で経過をチェック。腫れや痛みが続くなら要相談 |
トラブルが起きた場合は無理せず歯科医院へ相談を。日常生活に戻るまでの目安を知っておくことで、安心して抜歯に臨めます。
親知らずに関するよくあるご質問(Q&A)
患者さんからよく寄せられる親知らずに関する疑問についてQ&A形式で簡潔に解説します。
状態によっては隣の歯が虫歯になったり、歯並びが崩れるなどの影響があります。特に斜めや横向きに生えている場合は注意が必要です。
関連ページ:親知らずを放置した場合のリスク
麻酔をしっかり行うため、抜歯中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、抜歯後に腫れや違和感が出る場合はあります。
ケースによりますが、翌日から出勤・登校できる人も多いです。ただし、腫れが目立つこともあるため、大事な予定がないタイミングを選ぶと安心です。
関連ページ:親知らずの抜歯後に仕事に行けますか?
あります。下の親知らずは骨が硬くて神経に近いため、上よりも抜歯がやや難しい傾向があります。
まとめ
親知らずは誰にでも起こり得るテーマですが、生え方によっては大きなトラブルの原因にもなります。痛みや違和感がある場合は、早めに歯科医院で相談し、的確な診断を受けましょう。
また、問題がない場合でも安心せず、定期的な健診で状態をチェックすることが大切です。