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矯正歯科・歯列矯正

口呼吸が歯並びに与える影響とは?矯正で改善できる理由を解説

口呼吸が歯並びに与える影響とは?

口呼吸をしていると、歯並びに悪い影響があるの?どうすれば改善できるの?

口呼吸は歯並びや顎の成長に大きな影響を与えます。矯正治療によって噛み合わせを整えると同時に、正しい鼻呼吸へ導くことが改善の鍵となります。

この記事はこんな方に向いています

  • 子供の歯並びが気になっている保護者の方
  • 口を閉じるのが苦手、寝ているときに口が開いてしまう方
  • 長年の口呼吸で歯並びや顔立ちに変化を感じている方

この記事を読むとわかること

  1. 口呼吸が歯並びに与える具体的な影響
  2. 鼻呼吸と口呼吸の違いとその重要性
  3. 口呼吸が起こる原因とセルフチェック法
  4. 矯正治療で改善する仕組みと注意点
  5. 毎日の生活でできる呼吸改善トレーニング

 

なぜ口呼吸が歯並びを悪くするの?

口呼吸は舌の位置や唇の閉じ方に影響し、歯や顎の正常な成長を妨げます。鼻呼吸が基本である顔の筋肉バランスが崩れることで、歯並びが乱れる原因となります。

口呼吸は舌や口周りの筋肉バランスを崩し、歯並びの乱れを招きます。

私たちの顔や顎は、鼻呼吸を前提に発達するようにできています。鼻呼吸では、舌が上あご(口蓋)に軽く接しており、上あごを正しい形に保っています。しかし、口呼吸になると舌が下がり、上あごへの圧力が失われてしまいます。

この状態が長く続くと、

  • 上あごが狭くなる
  • 歯が内側に倒れこむ
  • 前歯が出っ歯のように傾く

といった変化が起こり、結果として不正咬合を引き起こします。
つまり「呼吸の仕方」が「歯並びの形」をつくるのです。

口呼吸が引き起こす歯並びや顔への影響とは?

口呼吸は歯並びだけでなく、顔の形・発音・睡眠の質にも影響します。放置すると成長期の子供では顎が細くなり、大人では歯周病や虫歯のリスクも高まります。

口呼吸は歯並びの乱れだけでなく、顔の形や健康面にも影響します。

口呼吸の影響には様々なものがあります。以下に代表的なものをまとめました。

影響の種類 具体的な症状・変化 説明
歯並び 出っ歯・受け口・開咬など 舌や唇の力のバランスが崩れることで歯が動く
顔立ち 面長・唇が閉じにくい 口を開けた姿勢が続くことで筋肉が変化
発音 サ行・タ行などが発音しにくい 舌の位置が不安定になるため
健康 いびき・睡眠の質低下・口臭 口が乾きやすく、歯垢が増えるため
  • 歯並びが乱れる → 口呼吸により舌が上あごに触れず、歯の位置が安定しなくなる。
  • 顔が細長くなる → 頬や顎の筋肉の発達バランスが崩れる。
  • 虫歯・歯周病のリスクが上がる → 口が乾くことで歯垢が増えやすくなる。
  • 睡眠の質が悪化 → 口が乾きやすく、いびきや無呼吸を誘発する。

このように、口呼吸は見た目だけでなく健康全般にも悪影響を及ぼします。特に成長期の子どもでは、骨格そのものが変形してしまう可能性もあるため、早期の対応が大切です。

口呼吸になってしまう原因を知ろう

口呼吸の原因には、鼻づまりやアレルギー性鼻炎、姿勢の悪さ、口周りの筋肉の弱さなどがあります。原因を見極めて治療やトレーニングを行うことが重要です。

口呼吸は鼻の病気や筋肉の弱さなど、さまざまな要因が重なって起こります。

口呼吸の主な原因には、次のようなものがあります。

  1. 鼻づまりやアレルギー性鼻炎 → 鼻呼吸が物理的に難しくなり、口呼吸に頼る。
  2. 扁桃肥大(へんとうひだい) → のどの奥のリンパ組織が大きく、空気の通り道を塞いでしまう。
  3. 姿勢の悪さ → 猫背などで頭が前に出る姿勢は、自然と口が開きやすくなる。
  4. 口周りの筋肉の弱さ → 唇や舌の筋肉が弱いと、口を閉じる力が不足しやすい。

これらの要因が複合的に関係し、無意識のうちに口呼吸が習慣化してしまいます。特に鼻づまりのある子どもでは、口呼吸が歯並びや骨格の発達に影響するため、耳鼻科での診察も併用することが推奨されます。

口呼吸がある人におすすめの矯正治療法は?

矯正治療では、歯の並びを整えるだけでなく、舌や口周りの筋肉バランスを整えることも重視します。マウスピース矯正や拡大装置、MFT(口腔筋機能療法)を組み合わせて行うのが効果的です。

口呼吸の改善には、矯正治療と筋機能トレーニングを組み合わせることが効果的です。

矯正治療の目的は、単に見た目を整えることではなく「正しい機能」を取り戻すことです。
口呼吸がある人に適した主な矯正法は次の通りです。

  1. 拡大装置(上顎拡大装置) → 狭くなった上あごを広げ、鼻の通気性を改善する。
  2. マウスピース矯正(インビザラインなど) → 歯を動かしながら、舌の正しい位置を意識しやすくする。
  3. MFT(口腔筋機能療法) → 舌や唇の筋肉を鍛えて、自然に口を閉じられるようにする。

これらを組み合わせることで、歯並びと呼吸の両方を改善することができます。特に子供の場合、成長に合わせて顎の発達を促すことができるため、早期の介入が効果的です。

矯正後に再び口呼吸にならないための工夫

矯正後も口呼吸を続けてしまうと、歯並びが再び乱れる可能性があります。鼻呼吸を定着させるためには、生活習慣の改善と日常の意識づけが大切です。

矯正後は呼吸習慣を整え、鼻呼吸を習慣化することが再発防止の鍵です。

矯正治療で歯並びを整えても、口呼吸が改善しなければ再び歯が動いてしまうことがあります。そのため、日常的に次のような工夫を取り入れることが大切です。

  1. 鼻づまりを放置しない → 鼻炎やアレルギーは耳鼻科で治療を続ける。
  2. 正しい姿勢を意識する → 背筋を伸ばすことで自然と口が閉じやすくなる。
  3. 舌のトレーニングを続ける → 「ポン」と舌を上あごに吸いつける練習を毎日行う。
  4. 寝るときに口を閉じる工夫を → テープなどで軽くサポートし、鼻呼吸を促す。

これらの取り組みは、矯正治療の成果を長く維持するうえで非常に重要です。
呼吸の習慣を変えることは時間がかかりますが、意識して続けることで確実に改善が見られます。

まとめ

呼吸の習慣を変えることで歯並びも人生も変わる

口呼吸は歯並びの乱れだけでなく、顔の発達や全身の健康にも影響します。矯正治療をきっかけに、呼吸・姿勢・筋肉バランスを整えることで、見た目も機能も改善します。

呼吸を正せば、歯並びも健康も整います。

口呼吸は、単なる癖ではなく「口と顔の発達に関わる重要な問題」です。歯並びを治すだけでなく、「正しい呼吸を取り戻す」ことこそが本質的な改善といえます。矯正治療で歯と顎を整え、MFTなどで舌や唇の動きを訓練することで、自然な鼻呼吸へと導くことができます。

長期的に見れば、

  1. 顔立ちが整う
  2. 発音が明瞭になる
  3. 睡眠の質が上がる
  4. 虫歯や歯周病のリスクが減る

といった多くのメリットが得られます。

歯並びを整えることは、見た目のためだけでなく、「健康な呼吸と生活の質を取り戻す第一歩」なのです。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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