ガチャ歯やガタガタの歯並びを治すためには、矯正治療が有効です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正、セラミック矯正など、ガチャ歯を改善するための具体的な方法、放置することで生じるリスクについてご説明します。
ガチャ歯・ガタガタ歯並びの治し方
ガチャ歯やガタガタの歯並びは、「叢生(そうせい)」と呼ばれ、歯が不規則に並んでいる状態を指します。歯が重なり合ったり、隙間が不均等だったりすることで、見た目に影響を及ぼすだけでなく、噛み合わせや歯磨きのしづらさから口腔内の健康にも悪影響を与えることがあります。
1. ワイヤー矯正を行う
もっとも一般的な矯正方法で、金属や透明なブラケットとワイヤーを使って歯を動かし、時間をかけて歯並びを整えます。ガチャ歯や複雑なケースに対応できる効果的な治療法です。
メリット
ワイヤー矯正は、さまざまな歯並びに対応できます。
- 最もメジャーな矯正方法であり治療実績も多い
- 歯がねじれていたり、重なったりしてできたガチャ歯でも治せる
- 他の矯正方法よりも比較的安い
デメリット
- 付け外しが自由にできず、汚れが溜まりやすい
- 食事中気になったり、食べづらかったりする
- 歯の表面に装置をつける場合は見た目が目立つ
治療期間
およそ2〜3年ほどかかります。私がワイヤー・ブラケット矯正をしたときも実際3〜4年ほどかかりました。
▼裏側・舌側矯正についてはこちらで詳しくまとめています。
また全体に装置をつけるか、部分的に装置をつけるかでも変わってきます。部分的につける場合はもう少し費用が安くなります。
▼部分矯正・プチ矯正についてはこちらで詳しくまとめています。
2. マウスピース矯正を行う
インビザラインのような透明なマウスピースを使った矯正法です。見た目が自然で、取り外しが可能なため、軽度から中度のガチャ歯に適しています。
メリット
- マウスピースは透明なためつけていても目立たない
- 付け外しが自由にできるため清潔を保ちやすい
- 痛みを感じにくい
デメリット
- 付け外しが自由にできる分、効果は頑張り次第となる
- マウスピースの種類によっては頻回の型取りが必要
治療期間
およそ1〜3年ほどかかります。決められた期間の中でマウスピースを交換し、それによりかかる力で出っ歯を治していきます。
3. セラミックを被せて治す
セラミック矯正は、歯を削って被せ物を被せることで、「歯並びをよく見せる」方法です。歯を実際に動かして整えるわけではありません。
メリット
- 他の矯正方法に比べて治療期間が圧倒的に短い
- 歯並びだけでなく、歯の色も選べる
- 治療中の痛みがほとんどない
デメリット
- 歯を削って被せるため、歯の寿命が縮まる
- 経年劣化で変色することがある
- あくまで被せ物のため取れたり欠けたりする可能性がある
治療期間
およそ1〜3ヶ月ほどです。
ガチャ歯・ガタガタ歯並びの原因
1. 遺伝
ガチャ歯自体が遺伝するというよりは、歯の大きさやあごの大きさ、骨格などが遺伝します。それにより結果的にガチャ歯が遺伝するということが起こります。
2. 生え変わりの時期
永久歯の生える準備が整ったら、乳歯が抜けて生え変わりとなります。
しかし永久歯の準備が整う前に、虫歯やけがなどで乳歯が抜けてしまった場合。そこには隙間だけができてしまい、放置すると周りの歯が寄ってきてしまいます。空いたスペースをふさごうとして寄ってくるのです。
乳歯が抜けたスペースに周りの歯が寄ってきてしまうと、やっと準備の整った永久歯が生えたくても生えてこれません。スペースが足りないためです。そのため永久歯が位置をずらして生えてくるということが起こり、ガチャ歯の原因となります。
乳歯が早く抜けてしまったら、そのスペースを確保するための装置などもあります。歯科医院で相談してみましょう。
3. 日頃の癖
ご両親はきれいな歯並びをしていても、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などによりガチャ歯になることがあります。成長途中の子供は、歯やあごの骨も成長途中です。その期間に指しゃぶりなどが癖になっていると、歯並びが悪くなる原因となり得ます。
ガチャ歯・ガタガタ歯並びを治す際の注意点
ガチャ歯やガタガタした歯並び(不正咬合)は、見た目だけでなく、咀嚼機能や発音、さらには歯磨きの難しさから虫歯や歯周病のリスクを高めることもあります。治療を検討する際には、以下のポイントを押さえて進めることが重要です。
1. 矯正治療を始めるタイミングを考える
ガチャ歯やガタガタの歯並びを治すためには、早めに治療を始めることが望ましい場合があります。特に、
-
子供の場合・・成長段階に応じて治療を進めることで、自然な成長を活かした矯正が可能です。
-
大人の場合・・歯や顎の骨の状態に応じて治療計画を立てます。健康な歯や歯茎の維持がポイントです。
治療の開始時期は、歯科医師と相談しながら決めるのが理想的です。
2. 治療法の選択肢を理解する
矯正治療にはさまざまな方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法を選びましょう。
マウスピース型矯正(インビザラインなど)
- 目立ちにくい
- 自分で着脱可能
- 適切な装着時間が必要
ワイヤー矯正(表側矯正、裏側矯正)
- 効果が高い
- 固定式のため自己管理が不要
外科的矯正
- 重度の場合や顎の骨の形状に問題がある場合に適応
- 手術が必要になるケースもある
治療法の選択肢は、症状や生活スタイルに応じて歯科医師と相談することが大切です。
3. 矯正中の口腔ケアを徹底する
矯正装置を使用している間は、歯垢が溜まりやすくなるため、特に注意が必要です。
- 歯磨きは1日3回以上行う
- フロスや歯間ブラシを活用する
- 定期的に歯科でクリーニングを受ける
口腔内を清潔に保つことで、矯正中の虫歯や歯周病を防ぐことができます。
4. 治療計画に沿った通院を守る
矯正治療は、計画的に進めることが成功の鍵です。
- 定期的な調整や経過観察が必要
- 通院を怠ると治療期間が延びる可能性がある
また、指示された装置の使用時間を守ることも重要です。
5. 治療後の保定装置(リテーナー)の着用
矯正治療が完了した後でも、歯並びが元に戻らないように保定装置を着用する必要があります。
- 指定された時間、リテーナーを着用する
- 定期的に保定装置の状態をチェックする
保定を怠ると、歯並びが再び崩れるリスクが高まるため注意が必要です。
6. 治療費用と保険適用の確認
矯正治療は高額になることが多いため、事前に費用について確認しておきましょう。
- 保険適用外のケースが多い
- 分割払いが可能なクリニックもある
- 医療費控除の対象になる場合がある
治療を始める前に、費用や支払い方法について納得した上で進めると安心です。
ガチャ歯・ガタガタ歯並びを放置するとどうなる?
1. 虫歯や歯周病のリスクが上がる
ガチャ歯は部分的に歯がねじれていたり、歯が重なっていることが多いです。
そのような部分は歯ブラシの毛が届きにくく、歯垢(プラーク)や歯石が溜まりやすいです。ゆえに虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
2. かみ合わせが上手くいかない
ガチャ歯だと上下の歯が上手くかみ合わず、食べづらさや話しづらさにつながることがあります。かみ合わせが上手くいっていないと、食べ物を噛み切ったり噛み砕いたりといった基本的なことが難しくなります。これにより消化に時間がかかるなど胃腸にも影響を与えます。
まとめ
ガチャ歯やガタガタの歯並びは、適切な治療によって改善することができ、口腔内の健康だけでなく生活の質の向上にもつながります。
矯正治療にはワイヤーやマウスピース、セラミックなどさまざまな方法があり、それぞれの特徴を理解して自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
また、歯並びを整えることで虫歯や歯周病の予防にも効果が期待できます。早期の治療が美しい歯並びを取り戻すポイントです。歯科医師と十分に相談し、ご自身に最適な治療を見つけましょう。
監修
医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科
歯列・歯並び・ 咬み合わせのお悩みなら。マウスピース、インビザライン、裏側、小児矯正等。LINE相談可。八重歯、出っ歯、受け口の治療など得意です。大阪梅田、なんば、心斎橋、吹田、豊中、神戸にあります。
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