よくあるご質問
歯並び・歯列矯正

市販と歯科医院のマウスピース矯正の違い

マウスピース矯正市販と歯科医院の違い

歯並びを改善したいと考えたとき、市販のマウスピース矯正と歯科医院で行うマウスピース矯正の選択肢があります。それらは一見同じような装置ですが、効果や安全性、費用には大きな違いがあります。市販と歯科医院でのマウスピース矯正の違いについて、それぞれのメリット・デメリットや治療期間、適している人の特徴などをご説明します。

市販のマウスピース矯正とは?

ドラッグストア

販のマウスピース矯正は、歯科医院に通わずにドラッグストアやネットショップなどで購入できる矯正装置です。自分で歯型を取り、そのデータを基に作成されたマウスピースをはめることで、歯並びを改善するものです。価格が比較的安価で、手軽に始められるという特徴があります。しかし、治療中の進捗確認や専門家のアドバイスが受けられない点がデメリットです。

①メリット

歯科医院でのマウスピース矯正に比べて、圧倒的に費用が安いことでしょう。そのため手軽に、自分の好きなタイミングで始められます。

②デメリット

歯科医師や歯科衛生士の目が行き届かないので、歯並びがしっかり治る保証はありません。例えば、市販のマウスピースで矯正を行った場合、下記のようなリスクがあります。

  • 歯を無理やり動かすことによるリスク
  • かみ合わせが悪くなってしまうリスク
  • 虫歯や歯周病になるリスク

「歯並びを良くする」という目の前の目標しか見えていないと危険です。将来的にものが噛めなくなったり話しづらくなったりする可能性があります。

また万が一マウスピース矯正中にトラブルがあっても、基本的に自己責任となります。歯科医院でのマウスピース矯正は、定期的に通院するのでプロがフォローしてくれますが、市販のマウスピースは全て自己判断。知らない間に虫歯歯周病がひどくなっていた・・・なんてことも珍しくありません

③治療期間

市販のマウスピース矯正の治療期間は、数週間〜数ヶ月ほどが多いです。歯並びの状態や、マウスピースの装着時間によっても変わってきます。

④こんな人が向いている

市販のマウスピース矯正は、リスクがあってもとにかく安く歯並びを良くしたい方、自分でケアがしっかりできる方におすすめです。

歯科医院のマウスピース矯正

歯科医院で行うマウスピース矯正(例: インビザライン)は、専門の歯科医師が患者さんお一人おひとりの歯並びに合わせてカスタマイズされた治療を提供します。定期的な診察や調整が行われるため、正確で安全な治療が可能です。また、歯科医師の監督下で進めるため、予期しない問題が起こった場合にも迅速に対応できる利点があります。

①メリット

歯科医師や歯科衛生士といった、マウスピース矯正のプロのもとで歯並びを治していきます。そのため一人一人に合った方法で歯並びを治していけるのはもちろん、確実な効果が得られます

それに加えて、例えば虫歯歯周病のケアや歯磨き方法の指導、かみ合わせの調整などトータルしてケアを受けられるのもメリットです。また万が一マウスピース矯正中にトラブルが起こっても、すぐに対応してもらえます。

市販のマウスピース矯正では、以上のようなことはできません。もしトラブルが起こっても自己責任となります。

②デメリット

歯科医院でのマウスピース矯正は、治療となるので費用がかかるのがデメリットでしょう。歯列矯正は保険がきかないため、高額になることが多いです

また定期的に歯科医院に通わなければいけないので、市販のマウスピース矯正に比べると手間時間がかかります。

③治療期間

歯科医院でのマウスピース矯正にかかる期間は、数ヶ月〜4年と開きがあります。これはもとの歯並びの状態や、どの部分を治したいかによっても変わってきます。

前歯だけ歯並びを治したい、気になる部分だけ歯並びを治したいなどであれば数ヶ月で済みます。

また、昔歯並び矯正をしたけど後戻りしてしまった・・・なんて方にもおすすめです。そのような方は土台ができあがっているので、治療は数ヶ月〜1年以内で終わることが多いです。

通院の頻度は使用するマウスピースの種類によって変わってきます。

④こんな人が向いている

プロのもとで安全に、確実に歯並びを治していきたい方におすすめです。

費用こそかかってしまうものの、その効果は間違いありません安全性も高いです。

歯科医院によってはマウスピース1枚あたり数万円〜からやっているところもあります。マウスピースを交換しながら徐々に歯並びを整えていくので、状態によっては安く収められることもあります。

このように費用を含めて相談しそれに合わせて治療を進めていけるのも、歯科医院で行うマウスピース矯正のメリットです。

市販のマウスピース矯正と歯科医院のマウスピース矯正、どちらを選ぶ?

ドラッグストア

歯並び矯正というのは、「硬い骨に埋まった歯を無理やり動かすことです。市販のマウスピース矯正は、いま建っている家を、素人が無理やりDIYで動かすようなもの。家であれば全体が崩れないか不安で、建築のプロにお願いしようということになりませんか?

歯並び矯正も同じことです。目の前の目標だけにとらわれず、専門家のもとで、プロの意見を聞きながら医学的に正しいとされる方法で行った方が良いです。

市販のマウスピース矯正を使って思ったように歯並びが治らなかった場合はどうしたらいい?

市販のマウスピース矯正のメリットと限界

市販のマウスピース矯正は手軽さやコストの面で魅力がありますが、限界もあります。以下のような点が考えられます。

  • 自己管理が必要:専門家の指導がないため、適切な使用が難しい場合があります。
  • 複雑な不正咬合には対応しにくい:市販のマウスピースは軽度のケース向けに設計されていることが多いです。
  • 効果の個人差:思った通りの結果が得られない可能性があります。

改善が見られなかった場合の一般的な原因

1. マウスピースの適合性の問題

マウスピースが歯に適切にフィットしていないと、十分な矯正効果が得られません。

2. 装着時間の不足

マウスピースは通常、1日20時間以上の装着が推奨されます。装着時間が短いと効果が現れにくくなります。

3. 矯正計画の欠如

矯正治療には、適切な計画と段階的な調整が必要です。市販製品ではこのような計画がないことがあります。

3. 専門的な矯正治療への移行
市販製品で効果が得られなかった場合、以下の選択肢を検討できます。

  • インビザライン:専門的な計画に基づいた透明マウスピース治療。
  • ワイヤー矯正:複雑なケースにも対応可能な治療法。

改善するためのステップ

問題点を明確化する

矯正効果が不十分な原因を歯科医とともに特定します。装着時間や使用方法を再確認し、必要に応じて改善を図ります。

ご自身に合った治療法を見つけるために

矯正治療は個々の歯列や不正咬合の状況により大きく異なります。市販のマウスピース矯正で効果が得られなかった場合でも、専門的な治療で希望の結果を得られる可能性があります。まずは信頼できる矯正歯科を訪れて、しっかりとした診断と治療計画を立てることをおすすめします。

できる限り安く歯並びを治す方法

マウスピース矯正以外にも歯並びを治す方法があります。

例えばワイヤー・ブラケットを使った矯正方法では、歯の表側に装置をつける方法と、裏側につける方法があります。

ワイヤー、ブラケットでの全体矯正

この場合、上の図のように歯の表面に装置をつければ、費用を抑えることができます。歯の裏側につければ装置が目立たず見た目が良いですが、その分費用がかかります。

また全体の歯並びを治す必要がなく、部分的な矯正も費用を抑えることができます。部分矯正であれば治療期間も短いです。

▼部分矯正・プチ矯正についてはこちらでまとめています。

まとめ

歯のキャラクター

市販のマウスピース矯正は手軽で低コストが魅力ですが、専門家の管理がない分、トラブルのリスクがあります。一方、歯科医院で行うマウスピース矯正は、プロの監督下で進められるため、安全性が高く確実な結果が期待できます。

ただし、費用や通院の手間がかかる点も考慮が必要です。歯並びの改善は健康にも大きな影響を与えるため、ご自身の歯の状態や生活スタイルに合わせて最適な方法を選び、専門家と相談しながら治療を進めることが大切です。

 

監修

医療法人真摯会
クローバー歯科クリニック
まつもと歯科

歯列・歯並び・ 咬み合わせのお悩みなら。マウスピース、インビザライン、裏側、小児矯正等。LINE相談可。八重歯、出っ歯、受け口の治療など得意です。大阪梅田、なんば、心斎橋、吹田、豊中、神戸にあります。

マウスピース矯正についてもっと詳しく
この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

▶プロフィールを見る