
ワイヤー矯正のメリットやデメリットを知りたいと思う方はおられます。今日は、ワイヤー矯正について詳しくご紹介いたします。
歯列矯正を検討するタイミング
歯並びが悪く周囲からの見た目が気になれば、歯列矯正を検討される方は多くおられます。歯並びが悪いことを専門的に不正咬合と呼びますが、不正咬合の種類も様々です。
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(反対咬合・下顎前突)
- 歯のガタガタや八重歯(叢生)
- すきっ歯(正中離開・空隙歯列)
- 奥歯を噛むと口が閉じられない(開咬)
- 噛み合わせが深い(過蓋咬合)
軽度・中度・重度の程度や、乳歯のあるお子様か永久歯のみの大人かなど年齢により、矯正治療法や矯正の範囲(部分矯正か全顎矯正か)、治療期間、費用などが異なります。患者様のお悩みやご希望を伺う歯科医院でのカウンセリング、お口の状態の診断などを行い、歯科医師が患者様に改善するための治療計画をご提案いたします。
先天的な顎変形症など特例を除き、基本的には歯科矯正は自由診療です。そのため、保険適用内の虫歯や歯周病などの治療と違い料金が高くなり、クリニックによって価格に差があります。
ワイヤー矯正とは
矯正をご希望する大人の方には、ワイヤーブラケット矯正とマウスピース矯正の二種類が挙げられます。ワイヤー矯正は、どの部分にワイヤーを通すかによって、費用や治療の期間が異なります。
●表側矯正
普通矯正と呼ぶ矯正歯科もあり・歯の表側に銀色のワイヤーを装着する矯正治療法
●審美矯正
ホワイトワイヤー矯正と呼ぶ矯正歯科もあり・歯の表側に白色のワイヤーを装着する矯正治療法
●裏側矯正
舌側矯正・インコグニトと呼ぶ矯正歯科もあり・歯の裏側である舌側にオーダーメイドのワイヤーを装着する矯正治療法
今回はワイヤー矯正はどのように器具をつけるのか、今回は全顎矯正の表側のケースでご案内いたします。
- 歯を並べるスペースを空ける
- 上下顎の歯の表面にブラケットと呼ばれる突起物を装着する
- ブラケットの中にワイヤーを通し、ブラケットと結紮
- 矯正器具を装着すると通常での歯みがきが難しくなり、歯磨き指導を行う
- 1ヶ月に1回くらいの通院間隔で来院
- ドクターが歯の動きをチェックするワイヤーの調整をし、正しい歯の位置まで動かす
- 約2年できれいな歯並びになる
- 動的治療は終了し、この位置に歯を固定する静的治療を行う
- リテーナーと呼ばれる保定装置(固定式・可撤式などあり)を装着する
- 通院間隔は3ヶ月に1回程度
- しっかりと固定したら保定は終了
リテーナー装着を途中で止めてしまうと、せっかく綺麗になった歯並びが後戻りを起こすトラブルになります。注意が必要です。
スペースを空ける方法は下記のような処置をする可能性があります。
- 奥歯と奥歯の間にゴムリングを入れて歯間を空ける
- 歯と歯の間のエナメル質を少し削る(ディスキング・IPR・ストリッピング)
- 抜歯が必要な場合は抜歯を行う
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
では、ワイヤー矯正の中にも三種類ありますが、それぞれのメリット・デメリットについてご説明します。
表側矯正
- ワイヤー矯正の中でも一番費用が安い
- 裏側矯正と比べても早く治療が終わる傾向にある
- 銀色のワイヤーが白い歯の上で目立つ
- 審美性を損ない、矯正治療中と周囲にわかってしまう
ホワイトワイヤー矯正
- 白いワイヤーを使用しているため、遠くから見ると、ワイヤー矯正中とわかりにくい
- ホワイトワイヤーといっても限度があり、近くで見ると矯正治療中とわかってしまう
裏側矯正
- 歯の裏側に矯正器具を装着するため、表側のワイヤー矯正を仕事上NGとされている方も可能
- 舌に矯正装置が当たるため、発音や発声に慣れるまで時間がかかる
- 海外で作製するワイヤーなので、他のワイヤー矯正と比較しても費用が高い
頬の内側の粘膜や舌に、ブラケットやワイヤーの端が当たって痛いという場合は、歯科用ワックスを塗ると、痛みが軽減されます。
まとめ

矯正歯科がある多くのクリニックでは、カウンセリングを行っています。当院も予約制ではありますが、無料です。歯並びや噛み合わせの悪さなどのお悩みがある場合は、一度お気軽に歯医者さんでご相談ください。時間も費用もかかる矯正治療ですので、症例数や経験豊富な信頼のおける医院で治療を開始されるのをおすすめします。