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歯周ポケットとは?知らないと危険な歯ぐきのサイン

歯周ポケットとは?知らないと危険な歯ぐきのサイン

「歯周ポケットって何?私にもあるのかな…?」
そんな不安を感じたことはありませんか?

歯医者さんで「歯周ポケットが深いですね」と言われたけど、
なんとなく聞き流してしまった…という患者さんも少なくありません。

実はこの“歯周ポケット”、歯周病の進行度を示す大切なサインなんです。
放っておくと、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、歯が抜けてしまうリスクもあるんです…!

でも安心してください。
歯周ポケットは正しい知識と予防ケアで、しっかりと対策できます。

この記事では、
「そもそも歯周ポケットって何?」という疑問から、
「なぜできるの?」「放置するとどうなる?」
そして「どうやって防げばいいの?」という疑問まで、
やさしく・わかりやすく解説していきます。

歯周ポケットとは?その正体と意味を知ろう

歯周ポケットとは?

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にできる「隙間(溝)」のことです。健康な状態では浅いのですが、歯周病が進行すると深くなり、歯ぐきや骨がダメージを受けます。

歯周ポケットは歯と歯ぐきの間の溝で、歯周病の進行で深くなると危険です。

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にできる細い溝のこと。健康な状態なら、ポケットの深さは1~2mm程度ですが、歯周病が進行すると3mm以上に深くなり、そこに歯垢や細菌がたまりやすくなります。

歯周ポケットが深くなるほど、歯ぐきの炎症や、歯を支える骨の破壊が進んでしまうため、早期の発見と対処がとても大切です。

なぜ歯周ポケットができるのか?原因と背景

ポケットが出来るのか

歯周ポケットができる主な原因は、歯垢の蓄積と、それによって引き起こされる歯ぐきの炎症です。歯磨き不足や生活習慣も関係しています。

歯周ポケットは歯垢と歯ぐきの炎症が原因で深くなります。

歯周ポケットができる原因には、以下のようなものがあります。

  1. 歯磨き不足による歯垢の蓄積
    → 歯と歯ぐきの間にたまった歯垢が細菌の温床となり、歯ぐきが炎症を起こします。
  2. 歯ぐきの炎症(歯肉炎・歯周炎)
    → 炎症が続くと、歯ぐきが腫れてポケットが深くなり、さらに歯を支える骨が溶けることも。
  3. 噛み合わせの乱れや不正咬合
    → 強い咬合圧が歯ぐきに負担をかけ、歯周組織がダメージを受けやすくなります。
  4. 喫煙やストレス
    → 免疫力の低下や血行不良が、歯周病の進行を加速させます。

その結果、歯周ポケットはさらに深くなり、治療が難しくなるケースもあります。早めに原因を取り除くことが大切です。

歯周ポケットが深くなるとどうなる?放置のリスク

歯周ポケットを放置すると、歯ぐきだけでなく歯を支える骨までもが破壊され、やがて歯が抜け落ちてしまうことがあります。さらに、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の対処が重要です。

放置すると歯が抜けたり、全身の病気につながることもあります。

歯周ポケットが深くなっていくというのは、“見えないところで静かに歯が失われていく”ということ。
以下のような深刻な問題につながります。

進行した歯周ポケットのリスク一覧

  1. 歯を支える骨(歯槽骨)が破壊される
    → 歯周病菌の出す毒素で、歯の土台となる骨がどんどん吸収され、歯がグラつきやすくなります。
  2. 歯ぐきが後退し、歯が長く見える
    → 歯ぐきがやせてしまい、見た目の印象が老けた感じに。
  3. 歯の隙間が広がり、食べ物が詰まりやすくなる
    → 汚れがたまりやすくなり、さらに歯垢の温床に。
  4. 歯が抜けるリスクが高まる
    → 骨の支えがなくなり、最悪の場合、抜歯が必要になるケースも。
  5. 口臭の悪化(慢性的なニオイ)
    → 歯周ポケットにたまった歯垢や膿が原因で、強い口臭が続くことがあります。
  6. 全身疾患への影響
    → 歯周病菌が血流を通じて全身に広がり、糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎などと深く関係することも。

このように、歯周ポケットの放置は「ただのお口の問題ではない」んです。

特に高齢の患者さんや、糖尿病などの持病がある方は、歯周病の進行が早くなることも。
だからこそ、自覚症状がなくても健診と早期対応が大切なんです。

歯周ポケットはどうやって見つけるの?健診でのチェック法

どうやって見つけるの

歯周ポケットの深さは、歯科医院で専用の器具を使って測定します。自覚症状がなくても定期的な健診が重要です。

歯周ポケットのチェックは歯科の健診で行います。

歯周ポケットの深さは、歯科医院で「プロービング検査」という方法で調べます。これは、細い器具(プローブ)を使って、歯と歯ぐきの間の溝の深さを1本ずつ測定するものです。

この検査で3mm以上の深さがある場合は、歯周病の兆候とされ、注意が必要です。

特に以下のような方は、定期的な健診をおすすめします。

歯ぐきが腫れたり、血が出やすい方

口臭が気になる方

歯が浮いたような感じやグラつきがある方

過去に歯周病と診断されたことがある方

自覚症状が出る前の早期発見が、歯周病の進行を防ぐカギになります。

歯周ポケットの深さの目安とは?

歯周ポケットの深さは、歯ぐきの健康状態を知る大切なバロメーターです。
通常、歯科医院では専用の器具を使って、ミリ単位でポケットの深さを測定します。

深さの目安は以下の通りです。

  1. 1~2mm・・健康な歯ぐき
    → 炎症はなく、歯ぐきが引き締まっている理想的な状態です。
  2. 3~4mm・・軽度の歯周病の可能性
    → 歯ぐきに炎症が起きているか、初期の歯周病が疑われる状態です。
  3. 5~6mm・・中等度の歯周病
    → 歯を支える骨にダメージが出始めており、専門的な治療が必要になります。
  4. 7mm以上・・重度の歯周病
    → 骨の破壊が進行し、歯がグラグラするなど、抜歯のリスクも高まります。

このように、3mmを超える深さがあると歯周病の可能性があるため、
早めの対策がとても大切です。

「なんとなく歯ぐきが腫れてる気がする…」
そんなときは、ぜひ一度、歯科医院で健診を受けてみてくださいね。

歯周ポケットを改善・予防するためのセルフケアと治療法

毎日の正しい歯磨きや歯科医院での専門的ケアが、歯周ポケットの予防・改善につながります。

ケアと治療で歯周ポケットの改善が可能です。

歯周ポケットを浅く保つためには、次のような対策が効果的です。

  1. 正しい歯磨きの習慣
    → 歯と歯ぐきの境目を意識してやさしく磨くことが重要です。
  2. デンタルフロス・歯間ブラシの活用
    → 歯ブラシだけでは落とせない歯垢を除去できます。
  3. 歯科医院での定期的なクリーニング(スケーリング)
    → 固まった歯石や深い部分の歯垢を専門的に除去します。
  4. 歯周基本治療
    → 歯ぐきの中までクリーニングする「ルートプレーニング」などの処置が行われます。

これらを組み合わせることで、歯周ポケットの進行を食い止めたり、浅くすることができます。予防も治療も「継続」が大事です!

まとめ

歯周ポケットは「気づき」と「予防」がカギ!

歯周ポケットは歯周病のサインであり、放置すると歯の喪失や全身の健康への影響も。正しいケアと定期的な健診で早期発見・予防が可能です。

歯周ポケットは早期発見とケアが大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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