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矯正歯科・歯列矯正

部分矯正で治せる歯並びと治せない歯並びを解説

部分矯正で治せる歯並びと治せない歯並びを解説

部分矯正はどんな人に向いている?

部分矯正は、前歯や一部の歯並びの乱れを短期間・低コストで整えたい方に適した治療法です。

この記事はこんな方に向いています

  • 全体矯正までは必要ないけれど、前歯の歪みが気になる方
  • できるだけ目立たない方法で矯正をしたい方
  • 費用や治療期間を抑えて歯並びを整えたい方

この記事を読むとわかること

  1. 部分矯正で対応できる症例とできない症例の違い
  2. 部分矯正の治療期間や費用の目安
  3. 使用される装置や治療の流れ
  4. 全体矯正との違い
  5. 部分矯正を検討する際の注意点

 

部分矯正とはどんな治療?全体矯正との違いは?

部分矯正とは、歯列全体ではなく前歯など一部分の歯並びだけを整える矯正治療です。全体矯正と比べて、治療期間が短く、費用も抑えられるのが特徴です。歯を大きく動かす必要がない軽度の不正咬合に適していますが、噛み合わせの問題が大きい場合には全体矯正が必要です。

部分矯正は「一部分だけ整える」矯正。軽度の歯並びの乱れに有効です。

部分矯正の特徴

  1. 治療範囲が限定されている → 主に前歯6本前後を対象に行うことが多い。
  2. 治療期間が短い → 3~9か月程度で完了するケースが多い。
  3. 費用を抑えられる → 全体矯正の半額程度が目安。
  4. 見た目の改善に効果的 → 前歯の傾きや隙間を整えるのに適している。

全体矯正との違い

比較項目 部分矯正 全体矯正
対象範囲 前歯など一部分 上下すべての歯
治療期間 数か月〜1年以内 1年半〜3年
費用 約15〜40万円 約70〜120万円
適応症例 軽度の歯並び不良 噛み合わせに問題がある症例も含む

部分矯正は「見た目を整えたい方」に向く治療ですが、「噛み合わせの改善」を目的とする場合は全体矯正が必要です。まずは歯科医院で診断を受け、どちらが適しているか確認することが大切です。

関連ページ:部分矯正・プチ矯正とは?治療期間、効果

部分矯正で治療できる症例は?

部分矯正で治療できるのは、歯の位置のずれや角度の軽い不正、または前歯のすき間など、歯列全体に影響を及ぼさない症例です。主に審美的な改善を目的とする場合に選ばれます。

部分矯正で治療できるのは「軽度の歯並びの乱れ」です。

部分矯正で治療できる代表的な症例

  1. 前歯の軽いデコボコ(叢生)
    → 歯が少し重なっているが、抜歯せずに改善できる程度。
  2. すきっ歯(空隙歯列)
    → 歯と歯の間にすき間があるケース。審美目的での矯正が多い。
  3. 前歯のねじれ(捻転)
    → 歯が軽く回転している状態。ワイヤーやマウスピースで修正可能。
  4. 軽度の出っ歯・受け口
    → 前歯の傾きをわずかに改善したい場合に有効。
  5. 矯正後の後戻り
    → 過去に全体矯正を行ったが、わずかに歯が動いてしまったケース。

まとめ

  • 歯の移動量が小さいほど部分矯正の適応範囲内。
  • 噛み合わせや顎のバランスに大きな問題がないことが条件。
  • 審美性の改善を主な目的とする。

部分矯正は「歯の見た目を整える」治療です。機能的な咬合改善を伴う場合や骨格的なズレがある場合は、部分矯正では不十分です。正確な診断を受けてから判断することが重要です。

部分矯正では治療できない症例は?

歯並び全体や顎の位置に問題がある場合、部分矯正では対応できません。たとえば、噛み合わせのズレ、奥歯の傾斜、骨格性の不正咬合などは、全体矯正が必要です。

顎や噛み合わせに問題がある場合は部分矯正では対応できません。

部分矯正が適応できない主なケース

  1. 骨格性の出っ歯・受け口(上顎前突・下顎前突)
    → 骨格のズレを伴う場合は外科矯正を含む全体治療が必要。
  2. 奥歯のかみ合わせのズレ
    → 前歯だけ動かしても、全体のバランスが崩れるおそれあり。
  3. 歯のねじれが強い場合や歯列弓が狭い場合
    → 歯を大きく移動する必要があるため部分矯正では不可能。
  4. 抜歯が必要な症例
    → スペース確保や咬合再構成を伴うため全体矯正が前提。
  5. 歯周病や虫歯が進行しているケース
    → まず歯周治療や虫歯治療を優先する必要がある。

部分矯正は歯列の一部分だけを動かすため、全体の噛み合わせを大きく変えることはできません。無理に部分矯正を行うと、咬み合わせの不調和や歯の移動後の不安定さを招くことがあります。

部分矯正が向かない症例では、全体矯正を選ぶことで長期的に安定した噛み合わせと見た目の両立が可能になります。

部分矯正にはどんな装置が使われるの?

部分矯正では、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、裏側矯正など、目立ちにくく快適な装置が選ばれることが多いです。前歯の数本のみを動かすため、装置もコンパクトで生活の負担が少ない点が特徴です。

部分矯正には「見た目を重視した装置」が使われます。

主な装置の種類

  1. ワイヤー矯正(部分ブラケット)
    → 前歯のみブラケットを装着。効率よく歯を動かせる。
  2. マウスピース矯正(インビザラインなど)
    → 透明のマウスピースで目立たず治療可能。取り外しができ、歯磨きもしやすい。
  3. 裏側矯正(リンガル矯正)
    → 歯の裏側に装置をつける方法。外から見えにくい。

メリットとデメリットの比較

装置 メリット デメリット
ワイヤー矯正 矯正力が強く、細かい調整が可能 目立ちやすい
マウスピース矯正 透明で目立たない、衛生的 適応症例が限られる
裏側矯正 外見上見えにくい 発音や違和感が出やすい

装置の選択は「見た目」「ライフスタイル」「歯並びの状態」によって異なります。担当医と相談し、審美性と治療効果のバランスを考えて決定することが大切です。

部分矯正の治療期間・流れは?

部分矯正の期間は3か月~9か月程度が一般的で、診断・装置装着・定期調整・保定という流れで進み、全体矯正よりも短期間で終了する傾向があります。

部分矯正は短期間・低コストで行えるのが特徴です。

一般的な治療の流れ

  1. カウンセリング・検査
    → 歯並びや噛み合わせ、レントゲンで適応を確認。
  2. 診断・治療計画の立案
    → 動かす範囲、装置の種類、期間、費用を説明。
  3. 装置の装着・治療開始
    → 前歯中心に装置をつけて歯を少しずつ移動。
  4. 定期調整
    → 1か月ごとに来院し、力のかけ方を微調整。
  5. 保定期間
    → 動かした歯を安定させるためにリテーナーを使用。

費用と期間の目安

内容 目安
費用 約15〜40万円前後
期間 3〜9か月程度
通院頻度 月1回程度
保定期間 6か月〜1年

部分矯正は「気になる部分だけをスピーディに整えたい方」に最適です。ただし、歯の動きや安定性は個人差があるため、治療後の保定まで含めた総合的な計画が重要です。

部分矯正を始める前に注意すべきことは?

部分矯正を成功させるには、「適応診断」「口腔内の健康状態」「治療後の維持」の3点が重要です。安易に部分矯正を選ぶと、咬合のバランスが崩れたり、後戻りのリスクが高まることがあります。

診断と治療後のケアが成功のカギです。

注意すべき3つのポイント

  1. 診断の重要性
    → 全体のバランスを見て、部分矯正で安全に動かせるか判断する。
  2. 口腔内の健康管理
    → 歯周病や虫歯がある場合は、治療後に矯正を行う。
  3. 保定とメンテナンス
    → 矯正後は歯が元の位置に戻りやすいため、リテーナーで固定。

部分矯正は手軽な治療に見えますが、実際には専門的な診断と継続的なメンテナンスが不可欠です。長期的に美しい歯並びを維持するためには、信頼できる歯科医院でしっかり相談しましょう。

まとめ

部分矯正は「目的と範囲」を明確にして選ぶことが大切

部分矯正は「軽度の歯並びの乱れ」に効果的な治療法です。

  1. 審美的な改善を短期間・低コストで実現できる。
  2. 噛み合わせや骨格のズレが大きい場合は適応外。
  3. 使用する装置や治療期間は症例によって異なる。
  4. 診断と保定が成功のカギとなる。

部分矯正は「気になる部分だけを整えたい」という方に最適な選択肢です。ただし、安易に自己判断せず、専門医の診断を受けたうえで、自分に合った方法を選ぶようにしましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科吹田本院
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医日本歯周病学会

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