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口臭・その他

飲食物・嗜好品による口臭への対策

飲食物・嗜好品による口臭対策3選

口臭の原因としてよく挙げられるのが飲食物や嗜好品です。しかし、にんにくや玉ねぎといった食材以外にも、意外な食品や習慣が口臭を引き起こすことがあります。日常生活でよく摂取する飲食物や嗜好品がどのように口臭に影響するのか、そのメカニズムと効果的な対策についてご説明します。

口臭=胃の匂い?

女性

 

一般的に「胃が悪いと口臭が強くなる」と考える人が多いですが、実際に胃潰瘍や胃炎などが原因で強い口臭が出ることはほとんどないです

胃の上部にある噴門は括約筋で閉じられているので、げっぷをした時以外に胃から空気が口腔内に出ることがないです。

一過性のものであるため治療対象にならないことが多いです。

強い口臭を起こす食べ物・嗜好品

強い口臭を起こす食べ物や嗜好品は以下のようなものです。

1. にんにく・玉ねぎ

ニンニクや玉ねぎは、硫黄化合物を多く含む食品です。これらの化合物は体内で分解されると、臭いの元となる揮発性硫黄化合物(VSC:Volatile Sulfur Compounds)を放出します。この化合物が血液に吸収されると、肺を通じて呼気に含まれ、摂取から数時間後まで口臭が続く原因となります。

ニンニクや玉ねぎによる口臭のメカニズム

  • 食後、これらの食品に含まれるアリシンやメチルメルカプタンといった成分が、胃で分解されます。
  • その後、血液中に吸収され、肺を通じて呼気として放出されます。
  • また、口腔内に残った微細な食品の残渣(食べかす)が細菌によって分解されることで、追加の臭いを発生させる場合もあります。

対策

食後の口腔ケア

ニンニクや玉ねぎを含む食事を摂取した後は、歯磨きや舌苔の清掃を行うことが有効です。

緑茶やパセリの摂取

緑茶やパセリには、揮発性硫黄化合物を中和する作用があります。食事中または食後に摂取することで臭いを軽減できます。

牛乳を飲む

食事中に牛乳を飲むと、ニンニクの臭いを軽減する効果が期待できます。特に、牛乳中の脂肪が臭いの元となる化合物を包み込むことで効果を発揮します。

2. 乳製品

乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)は栄養価が高い一方で、特定の状況下で口臭を引き起こす原因になります。特に乳製品に含まれるたんぱく質は、口腔内細菌によって分解される際に硫化水素やその他の揮発性硫黄化合物を生成し、これが口臭の元となります。

乳製品による口臭のメカニズム

  • たんぱく質の分解
    乳製品に豊富に含まれるカゼインなどのたんぱく質が口腔内細菌によって分解されると、臭いの元となるガス(硫化水素やアンモニア)が発生します。
  • ラクトース不耐症との関連
    ラクトース(乳糖)の消化が不十分な場合、腸内でガスが生成され、これが体内を巡って口臭に影響を与えることがあります。

乳製品による口臭を軽減する方法

  • 食後の口腔ケア
    乳製品を摂取した後は、歯磨きや舌苔の清掃を行い、細菌の活動を抑えることが効果的です。
  • 水分補給
    水を飲むことで口腔内を洗い流し、細菌の活動を抑える効果が期待できます。
  • 摂取量の調整
    乳製品の摂取を控える、または低脂肪・低乳糖の製品を選ぶことで、臭いの発生を軽減できます。

3. コーヒー

コーヒーは、その独特な香りが飲んだ後もしばらく残るため、口臭の原因になりやすい食品です。さらに、コーヒーに含まれるカフェインは唾液の分泌を抑制する作用があり、これが口腔内の乾燥を引き起こして口臭を悪化させる要因となります。

コーヒーによる口臭のメカニズム

酸性の影響

コーヒーは酸性が強いため、口腔内のpHバランスを乱し、細菌の増殖を促進することがあります。

香り成分の残留

コーヒーの香り成分が舌や口腔内に残り、長時間にわたって口臭の原因となることがあります。

対策

飲み方の工夫

コーヒーを飲んだ後には、水を飲んで口腔内を洗い流すことが効果的です。

ミルクの追加

ブラックコーヒーは特に口臭の原因になりやすいので、牛乳を加えることで酸性度を緩和し、口臭の発生を抑えることができます。

4. アルコール

アルコールは、摂取後に体内でアセトアルデヒドという化合物に分解されます。このアセトアルデヒドは、強い臭いを持ち、体内から血流を介して肺に到達し、口臭の一因となります。また、アルコールは唾液分泌を抑制し、口腔内を乾燥させる作用もあります。口腔内が乾燥すると、細菌が増殖しやすくなり、さらに口臭が悪化します。

アルコールによる口臭の特徴

長時間続く臭い

アルコールによる臭いは、体内で完全に代謝されるまで持続することがあります。

二重の原因

アルコール自体の臭いと、乾燥による細菌の増殖の両方が口臭の原因となります。

対策

適度な水分補給

アルコールを摂取する際は、同時に水を飲むことで口腔内の乾燥を防ぎ、口臭を軽減できます。

アルコールの種類に注意

特に香りの強い蒸留酒(ウイスキーやラムなど)は、臭いが強く残りやすいため注意が必要です。

5. 高タンパク質食品

肉や魚などのタンパク質が分解される際に、硫黄化合物が生成されることがあります。

6. 香辛料の強い食品

カレーやキムチなどの香辛料は、消化の過程で強い臭いを発生させることがあります。

7. 喫煙

喫煙は、口臭の最も大きな原因の一つとされています。タバコには数百種類の化学物質が含まれており、これらが直接的に口腔内の臭いを引き起こすだけでなく、間接的に口腔内環境を悪化させる要因にもなります。

喫煙による口臭のメカニズム

  • タールやニコチンの残留
    喫煙後、タバコの煙に含まれるタールやニコチンが歯や舌、口腔粘膜に付着し、強い臭いを発します。
  • 唾液分泌の抑制
    喫煙は唾液腺の働きを低下させ、唾液分泌量を減少させます。その結果、口腔内が乾燥し、細菌が増殖しやすくなります。
  • 歯周病との関連
    喫煙者は歯周病のリスクが高く、これが慢性的な口臭の原因となる場合があります。
  • 全身への影響
    喫煙によって体内で生成される化学物質が血液を通じて肺に到達し、吐く息にも臭いを含む場合があります。

喫煙による口臭を軽減する方法

  • 禁煙を目指す
    喫煙をやめることが、根本的な解決策となります。禁煙外来やサポートプログラムを利用することで、効果的に禁煙を進められます。
  • 水分補給
    喫煙後は水を飲むことで口腔内を湿らせ、乾燥を防ぎます。
  • 口腔ケアの徹底
    喫煙者は通常よりも丁寧に歯磨きや舌苔の清掃を行い、歯垢や臭いの元を取り除く必要があります。
  • 定期健診
    歯科医院での健診やクリーニングを定期的に受けることで、歯周病の予防と口臭軽減が期待できます。

 

これらの食品や嗜好品を摂取した後は、歯磨きやうがい、舌の清掃などの口腔ケアを行うことで口臭を減らすことが出来ます。また、水分摂取を心がけ、お口の中が潤った状態に保つことも重要です。

食べ物・嗜好品が原因のにおいの対策

ねぎニラにんにく
 ①ネギ、ニラ、にんにくなどを食べたあとの口臭は、口腔内の食物繊維(歯にはさまったり)が原因の時と体内で消化吸収されてにおい物質が血液により運ばれて、肺からの呼気となり息がにおいます。

 ②アルコールも揮発性のアルコール成分のせいで臭く感じられます。タバコの臭いはタールやニコチンが原因です。

 ③栄養ドリンクの中にもにんにくエキス(アリシン)、ビタミンB1誘導体(フルスルチアミン)が含まれており、臭いがあります。

 

▼にんにくやネギ類以外にも、口臭の原因になる意外な食べ物をこちらでまとめています。

https://www.matsumoto.or.jp/toothteeth/mouth-food/

食べ物の口臭の場合

対策・対処方法

においの強い食べ物による口臭は、時間が経てば自然と収まってきます。治るのを早める方法としては歯磨きやうがい、タブレットなどを口にすることである程度和らげることができます。

いずれにしても飲食物や嗜好品による原因が特定でき、時間の経過とともに減少する一時的なにおいなので、治療の対象にはなりません。

口臭症の診断と治療のガイドライン

まとめ

口臭の原因としてはさまざまなものがありますが、それによっては歯科医院や病院での治療が必要なものもあります。ゆえに、まずは自分の口臭の原因は何なのか、知ることが大切です。

自分の口臭の原因がわからない方におすすめなのが「口臭検査」です。歯周病がある場合、気づかないうちに臭いを発生させ周囲が不快になっていることもあるので注意がいります。

口臭検査では、口臭を数値化するためだけに作られた専用の機械を使います。口臭が数値化されると、自分の口臭は実際にあるのか人を不快にさせるほどなのか?といったことがわかります。つまり自分の口臭を客観視できるというわけです

またそれだけでなく、口臭検査を行うことで口臭の原因もはっきりわかります。専用の機械が、口臭のもとになっている成分(においのもと)を診断し、その成分はどこから来ているのが教えてくれるのです。

自分の口臭の原因がわかれば、歯や歯周病の治療をしたり内科に行ったり口臭ケア用品を見直してみたり、対策が取れますよね!そのために行うのが「口臭検査」「唾液検査」です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 まつもと歯科
理事長 歯科医師 総院長 松本正洋
1989年国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。日本抗加齢医学会 認定医。日本歯周病学会。

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