

マタニティ歯科とは、次の3つの内容のことを言います!
マタニティ歯科とは?

妊娠中、授乳中のお母さん、授乳中の赤ちゃんが対象
- 妊娠中、授乳中のお母さん、授乳中の赤ちゃんを対象とした歯科治療と予防歯科治療(食事指導も含む)。妊婦さん、授乳婦さんでも歯科治療はできます。安全を最重要視して治療しています!!
マイナス1歳からの虫歯予防
- お腹の赤ちゃんが、生まれてきてから歯が生える時に、虫歯にならないよう、また生涯に渡って虫歯になりにくい歯になるよう、妊娠中からケアを行う予防治療のことです。当院では「マイナス1歳からの虫歯予防」と呼んでいます。
マイナス1歳というのは、お腹にいる赤ちゃんのことですが、お母さんの歯の健康状態がお腹の赤ちゃんの虫歯予防に非常に重要なことが研究で分かってきました。お母さんが妊娠中にお口のケアをしっかり行えば、生まれてくる赤ちゃんが虫歯になりにくくなるのです!
当院では、お母さんや、生まれた赤ちゃん、お腹の赤ちゃんを、虫歯や歯周病から守る予防治療に力を入れています。
母子感染を防ぐ取り組み
- 生まれた赤ちゃんが虫歯にならないようにするには、親御さんの口腔内が清潔で、虫歯に罹患していないことが重要です。赤ちゃんが生まれる前に、親御さんの虫歯を治療しておく、予防しておくことがとても重要です。
妊婦さんに起こる
具体的な症状
SPECIFIC SYMPTOMS
妊娠すると、たくさんのことが妊婦さんに起こります!

- つわりが気持ち悪くて歯磨きがしづらいので虫歯、歯周病になりやすい
- つわりで吐きやすく、口の中が酸性になり、酸で歯が溶けやすくなる
- 食生活が変化したり、不規則になり、お口の中に食べ物をちょこまか入れる為に、お口の中が酸性になってる時間が長くなって歯が溶けたり、不衛生になる
- 女性ホルモンのバランスの変化により、唾液がネバネバしたり、量が減ったりして食べかすが残りやすく、細菌も活動しやすくなる
- エストロゲンという女性ホルモンがたくさん出てきて、歯と歯茎の間に滞留して、それをエサとする歯周病菌によって妊娠性歯肉炎になりやすい
- ホルモンをエサにする歯周病菌の動きが活発になり、その菌が血管に入り胎盤や子宮に感染し、子宮を収縮させて陣痛を起こすプロスタグランジンを産生し、お腹の赤ちゃんに悪影響が出て、低体重児や早産の確率が7倍になる。流産もリスクも上がると言われている。
- 気持ちや体調の変化で歯科治療を受けたくなくなる
妊娠中になりやすい
3つのお口の病気
TOOTH DECAY PREVENTION

- 1. 妊娠性歯肉炎
- 2. 妊娠性エプーリス
- 3. 虫歯・歯周病
1. 妊娠性歯肉炎

- 妊娠により女性ホルモン(エストロゲン)が増え、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)に滞留し、それをエサとする歯周病菌によって歯茎に炎症が起きてしまいます。つわりによる歯磨きのしにくさも関係しています。具体的には、歯ぐきの腫れ、出血が起こります。普通の歯肉炎と違い、痛みが出にくいという特徴があり、進行しやすいので注意が必要です。
特に妊娠初期の5~20週くらいから起こりやすいです。できるだけ早めに歯科を受診してひどくならないようにする必要があります。
また、歯周病菌が出すプロスタグランジンによって、子宮が収縮し、陣痛を起こし、お腹の赤ちゃんに悪影響が出て、低体重児や早産の確率が7倍になる。流産もリスクも上がると言われています。
2. 妊娠性エプーリス

- 妊娠中に、歯ぐきにコブの様なしこりができることがあります。妊娠中のホルモンの増加によって、歯ぐきのコラーゲンが増殖したことが原因です。主に、上の前歯や、下の奥歯の歯ぐきにできます。
大変心配される妊婦さんも多いのですが、殆んどが良性の腫瘍なので、心配はありません。出産後に自然に治ることが多いです。
3. 虫歯・歯周病

- 妊娠中のつわりによる、歯ブラシのしにくさ、食べ方の変化(ちょこまか食べる)によってお口の中が酸性になったり、ホルモンの増加によって歯周病が活発になったりするせいで、どうしても虫歯・歯周病になりやすくなります。
妊娠中も治療は可能です。お薬等を必要としたりするときもありますので、なるべくなら安定期に治療するのが理想です。
具体的なマタニティ歯科の
治療(予防)内容
TREATMENT

- 1. 妊婦さん・授乳中の方の歯科治療
- 2. つわりで歯磨きができないお母さんへの指導
- 3. 妊婦さん・授乳中の方に対する食事指導
- 4. 生まれた赤ちゃんが虫歯にならないようにする治療(母子感染を防ぐ取り組み)
- 5. マイナス1歳からの虫歯予防
1. 妊婦さん・授乳中の方の歯科治療
妊婦さん特有の治療の注意点があります。それは、治療を受けるタイミングです!
治療を受ける
タイミング、時期
タイミング、時期
妊娠初期 1~4か月
- この時期は、妊婦さんに歯科治療のストレスを与えることで、胎児に影響を及ぼしたり、つわりもひどくて、余計にストレスを感じやすいので、一般的な治療は安定期まで待ってから行います。お薬を出したり、レントゲンも原則は撮りませんので、応急処置を行って様子を見ます。
過度なストレスが加わると、流産の可能性も出て来ます。
妊娠中期(安定期) 5~8か月
- この時期は安定期と呼ばれ、歯科治療には適しています。つわりもましになって来てますし、胎児に与える影響が非常に少ない時期です。この時期ですと、例えば歯を削ったり、場合によったら神経の治療をしたりするような通常の歯科治療も可能です。妊娠初期に様子を見ていた治療もできます。
妊娠後期 9か月~
- この時期は、治療を受ける時に妊婦さんが仰向けなることがまず難しいです。お腹は大きいですし、仰向けになるのは辛いです。また治療による刺激を与えることで早産を誘導することもあります。
歯に痛みがあるなどの応急処置は、むしろしないことが母体に刺激になり、早産につながる事もあるので、応急処置はする必要はありますが、そうでない場合は様子を見て、出産後に治療をします。
2. つわりで歯磨きができないお母さんへの指導
小さめの歯ブラシを使う

- 歯ブラシを小さいものに変えるだけで、吐き気がましになることがよくあります。
また、糸ようじや歯間ブラシは吐き気を起こしにくいので積極的に使うことや、マウスウォッシュでお口もゆすいでください。特に、食後すぐに念入りにしてくださいね。
歯磨き粉を使わない

- 歯磨き粉の臭いが唾液の分泌を増やし、吐き気につながることがあります。歯磨き粉は無理に使う必要はありません。妊婦さんでなくても、使わなくても大丈夫です。大事なのは歯磨き粉の成分よりも、物理的に歯ブラシで歯垢を落としたり、歯周ポケットをちゃんと磨けたかかどうかという事です。
キシリトールのガムを噛む

- キシリトールは、虫歯菌を弱らせる働きがあります。また、噛むことで唾液が増え、虫歯菌の働きを抑えるのと同時に洗い流す役目もあります。さらに、お腹の赤ちゃんの健康な歯の形成にも良いと言われています。
歯磨き以外の方法

- 食後すぐに水や緑茶でうがいをするだけでもある程度効果があります。特に食直後は、お口の中が酸性になりやすく歯が溶けやすいので効果があります。緑茶は殺菌作用もあります。また、リンゴなどは繊維分が多いため物をしっかり噛んで食べても歯垢を除去する効果があります。
食事は、回数を決めて、ダラダラ食べない

- 常に何かを食べていると、お口の中が常に酸性になって歯が溶けるので、回数をちゃんと決めて食べましょう。
ストレスのない生活を

- ストレスは、身体の免疫力を落とします。母体や胎児にももちろん悪いですし、歯周病菌や虫歯菌に対する抵抗力も落ちます。リラックスして、ストレスなく楽しい生活を送りましょう。
3. 妊婦さん・授乳中の方に対する食事指導

- お腹の赤ちゃんが4~5か月の頃に、赤ちゃんの歯はどんどん成長を始め7か月までの間に、エナメル質、象牙質、神経なども作られます。この時期に、お母さんが栄養をしっかり取ることが非常に大事です。
赤ちゃんの歯を作るのに大事なのは、カルシウムとリンです。これらをしっかり取ることをおすすめします。カルシウムは歯自体と歯の周りの骨を丈夫にします。
4. 生まれた赤ちゃんが虫歯にならないようにする治療(母子感染を防ぐ取り組み)

虫歯の
母子感染について
母子感染について
- 生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌はいません。では、どこからやってくるかと言うと、お母さんや周りの人のお口からうつってくるんです。このことを母子感染と言います。
母子感染は、大人がくちうつしで食べ物を食べさせたり、同じスプーンや箸を使ったりすると感染します。特に、虫歯菌が多い大人からは感染しやすいです。
歯が生えてない時期は、お口の中に虫歯菌が入っても、虫歯菌は生きていけないので感染しません。感染しやすい時期は、1歳半から2歳半くらいです。この感染しやすい時期を、「感染の窓」と言います。

- この時期に、気を付けて感染を防げば、将来的にも虫歯になりにくい体質の歯(お口の環境)に変わります。
逆に、赤ちゃんが虫歯菌に感染する時期が早ければ、お口の中の虫歯菌の割合が上がってしまい、将来も虫歯になりやすくなります。お母さんの心掛けが赤ちゃんの将来を左右すると言っても言い過ぎではありません!
周りの大人や家族のお口の中に虫歯菌が多いと、赤ちゃんのお口の中も虫歯菌が多くなりますので、感染を予防するためには、家族など周りの人がお口の中を清潔にすることが非常に重要です。

- 赤ちゃんとのスキンシップも大事なので、キスもするでしょうし、箸の共有も多少は仕方ないと思います。大事なのは、なるべく「感染の窓」の時期は、接触を避けて、周りの人がお口を清潔にすることです。
この時期に、たくさんの虫歯菌を感染させてしまうと、将来虫歯になりやすくなります。頑張ってこの時期を乗り越えましょう。
こんなデータがあります。
1)お母さんの虫歯菌の数と、感染してる赤ちゃんの率は比例する。
2)お母さんが歯科医院で定期クリーニングをしてる場合は、してない場合に比べて、あきらかに赤ちゃんが感染してる率が下がる
1)お母さんの虫歯菌の数と、感染してる赤ちゃんの率は比例する。
2)お母さんが歯科医院で定期クリーニングをしてる場合は、してない場合に比べて、あきらかに赤ちゃんが感染してる率が下がる
具体的な対策
- 1歳半から2歳半の間は、できる範囲で唾液が直接触れることを避ける。
- 家族みんなが、歯の検診や治療、歯磨き指導、歯石除去などのクリーニングを受ける。
5. マイナス1歳からの虫歯予防
お腹の赤ちゃんが、生まれてきてから歯が生える時に、虫歯にならないよう、また生涯に渡って虫歯になりにくい歯になるよう、妊娠中からケアを行う予防治療です。「マイナス1歳からの虫歯予防」と言います。
マイナス1歳というのは、お腹にいる赤ちゃんのことですが、お母さんの歯の健康状態がお腹の赤ちゃんの虫歯予防に非常に重要なんです。
お母さんが妊娠中にお口のケアをしっかり行えば、生まれてくる赤ちゃんが虫歯になりにくくなります!
マイナス1歳というのは、お腹にいる赤ちゃんのことですが、お母さんの歯の健康状態がお腹の赤ちゃんの虫歯予防に非常に重要なんです。
お母さんが妊娠中にお口のケアをしっかり行えば、生まれてくる赤ちゃんが虫歯になりにくくなります!
具体的な方法
歯の検診、治療を受ける
- 妊娠中は、つわりやホルモンの増加、食生活の変化で虫歯、歯周病になりやすくなります。
妊娠の安定期に、虫歯、歯周病のチェックや治療、歯磨き指導を受けてください。
歯のクリーニングを受ける
- 歯石はもちろん、歯の表面についた「バイオフィルム」というネバっとした歯の汚れをクリーニングで取ってもらって下さい。
PMTCというクリーニング法が効果的です。その際に、フッ素塗布も受けてくださいね。

食後はキシリトールを取る
- キシリトールは虫歯菌を弱める働きがあります。

(日本フィンランド虫歯予防研究会様より)
妊娠中で、
もうすぐお母さんになる方へ
SOON TO BE MOTHER

当院では、妊娠中の歯科検診や治療、歯磨き指導はもちろん、生まれて来た赤ちゃんの歯のケアも丁寧にご説明します。
赤ちゃんの歯はいつから生えるの?
歯磨きはいつから?どうやって磨くの?
フッ素はいつから塗るの?
歯の生える順番は?
子供さんの歯並びを良くするには?
など、お母さんに丁寧にご説明しますので、お気軽にいらっしゃって下さいね。
マタニティ歯科に関する
よくあるご質問
Q&A
妊娠中に虫歯や歯周病があると、赤ちゃんに影響しますか?

妊娠中の歯周病や虫歯は、早産や低体重児出産のリスクと関連があります。ホルモンバランスの変化により歯ぐきが腫れやすくなり、歯周病菌が血流を通じて子宮に影響を与える可能性があります。
定期的な歯科検診で早期発見・予防することで、母体も赤ちゃんも守ることができます。妊娠中期の安全な時期に、ぜひ一度ご相談ください。
定期的な歯科検診で早期発見・予防することで、母体も赤ちゃんも守ることができます。妊娠中期の安全な時期に、ぜひ一度ご相談ください。
妊娠中に歯科治療を受けても安全ですか?いつが良いですか?

安定期(妊娠16~27週)に治療・健診を受けるのが最適なタイミングです。妊娠初期(1~4ヶ月)は胎児の器官形成期のため応急処置にとどめ、後期(8ヶ月以降)は体への負担を考慮して治療は控えるのが一般的です。
安定期であれば、検診・クリーニング・虫歯治療・麻酔使用なども安全に行えます。
安定期であれば、検診・クリーニング・虫歯治療・麻酔使用なども安全に行えます。
妊娠中のつわりで歯みがきがつらい時はどうケアすればいいですか?

無理せず、状況に応じた口腔ケアを行うことが大切です。
つわりで歯ブラシが難しいときは、食後に水でのうがいや、柔らかいガーゼでの拭き取りがおすすめです。また、味付きの歯磨き粉が苦手な方は、無味のものを使うなど工夫しましょう。お口の中を清潔に保つことで、虫歯や歯肉炎の予防になります。
つわりで歯ブラシが難しいときは、食後に水でのうがいや、柔らかいガーゼでの拭き取りがおすすめです。また、味付きの歯磨き粉が苦手な方は、無味のものを使うなど工夫しましょう。お口の中を清潔に保つことで、虫歯や歯肉炎の予防になります。
妊娠中に歯科のレントゲン撮影や麻酔を使っても大丈夫ですか?

レントゲン撮影も局所麻酔も、胎児への影響が非常に少ないことが確認されています。デジタルレントゲンは被ばく量が微量で、撮影時には鉛の防護エプロンも使用されます。
また、局所麻酔(リドカインなど)は全身作用がほとんどなく、安全とされています。ただし、どちらも必要最小限の使用に留めますので、ご安心ください。
また、局所麻酔(リドカインなど)は全身作用がほとんどなく、安全とされています。ただし、どちらも必要最小限の使用に留めますので、ご安心ください。
妊娠中に歯科検診を受けるメリットとは?頻度はどれくらいが良いですか?

定期的な歯科検診によって、お口の健康を守り、赤ちゃんの成長にも安心を与えることができます。妊娠中はホルモンの影響で口内環境が不安定になりやすいため、月1回程度の検診で菌の増殖や汚れをコントロールすることが理想です。
定期健診では歯肉のチェック、クリーニング、ブラッシング指導も行い、早産リスクの軽減にもつながります。
定期健診では歯肉のチェック、クリーニング、ブラッシング指導も行い、早産リスクの軽減にもつながります。
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